エタンドル・サーガ -失われた叙事詩-
タグ一覧
>最終更新日時:
07-エタンドル・サーガ -失われた叙事詩-
8/31 - 9/27 15:00
プロローグ
祠の奥には石の扉ひとつ。警戒しながら扉を開けてみると、その先には見慣れぬ平原が広がっていた。
「やった!成功した!」
声のした方を見てみてば、そこには(プレイヤー名)を見て頬を紅潮させながら喜んでいる少年がいた。
「ボクの召還魔法がついに成功した!異界の勇者さま、どうかこの世界を救ってください!」
少年が言うには、この世界は突如現れた魔王と戦えるほどの戦士はほとんど残っていないのだと言う。
(プレイヤー名)はその願いを聞き入れると、少年に道案内を依頼した。
「ボ…ボクも行くんですか!? ……わかりました、足手まといにならないように頑張ります……。ボクの名前はメルディン。よろしくお願いします、勇者さま!」
エピローグ
「僕は、魔王に支配されっぱなしのこの世界の人たちを『あきらめた人』たちだって思ってました。でも僕も『あきらめた人』だったんです。努力することをあきらめ、誰かにどうにかしてもらおうってばかり考えてました」
凱旋の旅の途中、メルディンが(プレイヤー名)にそう言った。
「でもそれじゃあ、本当の自分は納得できないって気づいたんです。無駄かもしれない。無力かもしれない。だからこそ、僕たちは自らに正直でなきゃいけない」
「僕、いま実感しています。魔王を倒せたことじゃなくて、勇者さまと、みんなと一緒に旅したことを。いつか立派な魔法使いになったその時、今度はもっとうまく勇者さまを助けてみせます!」
メルディンの顔に暖かな光が差し込む。気がつけば頼りない少年の面影はすでになく、その瞳は強い意思と勇気で満たされていた。
【エタンドル・サーガ~失われた叙事詩~:完】
アイテム一覧
コメント(0)
コメント
削除すると元に戻すことは出来ません。
よろしいですか?
今後表示しない