勇士の聖譚曲_プロローグ
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181:勇士の聖譚曲 ~影牙の咆哮~
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開始前
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旅人は迷宮の奥へと向かう!
迷宮を探索しよう!
「その……。君さえよければ、一緒に来てほしいなぁ……。な、なんて」
マーティとともに迷宮を探索しよう
プロローグ
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突然、眩い光に包まれて(プレイヤー名)は目をつむる。
……目を開くと、そこは薄暗い洞窟の中だった。
「うわっ!えっ、なになに!?ど、どうして人がここにいるの!?」
少年のような声。振り向くと、そこには……
「……あ、あれ?君、人だよね?襲ってこないの?なんで?」
(プレイヤー名)は自分が旅人であること。そして、敵意がないことを彼に伝える。
最初は警戒されていたが、話すうちに緊張が解けたのか、(プレイヤー名)の言葉を信じてくれたようだ。
「ご、ごめんね、怖がったりしちゃって。あ、ぼくはウェアウルフのマーティって言うんだけど……」
マーティは、自分が獣人と呼ばれる種族の一人であることを教えてくれた。
しかし……人間と魔族との戦いが日々繰り広げられているこの世界では、獣人は人間達によって虐げられ、忌み嫌われる存在なのだという。
「魔獣と人間の混合種……。それが獣人だ。人間からすれば、ぼくらは人の形をした魔獣にしか見えないんだろう。とても悲しいことだけどね」
人間からの迫害を逃れるうちに、彼はこの打ち捨てられた迷宮に辿り着き、今はここでひっそりと暮らしているようだ。
「でも、今日は本当に色んなことが起こるなぁ。変な女の子に追いかけられたり、獣人を怖がらない人に出会ったり……って、そうだ!今はゆっくりしている場合じゃないんだった!」
オロオロと慌て始めるマーティ。(プレイヤー名)は事情を聞いてみることにする。
「実は、迷宮の奥ですごく大きな音がしたんだ。それで様子を見に行く途中だったんだけど……。ぼくは迷宮の入り口付近で生活してるから、奥のことは全然わからなくて」
チラッ……と、こちらの様子を伺うマーティ。
「その……。君さえよければ、一緒に来てほしいなぁ……。な、なんて」
……確かに、迷宮を一人で歩くのは危険だ。(プレイヤー名)は彼の提案を受け入れることにする。
「あ、ありがとう!実は、一人ですごく心細かったんだ……!よろしくね、(プレイヤー名)!」
その時、背後から女の子の声が聞こえた。
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「勇者様~!勇者ハイル様~!どこへ行かれてしまったのですか~!?一人じゃとても心細いかもで~す!」
「わわっ!?も、もう追いつかれた……?」
その声を耳にしたマーティは、狼狽しながら(プレイヤー名)を見つめる。
「なぜか知らないけど、あの子……ぼくのことを追ってくるんだ。誰かと勘違いしているみたいなんだけど……。な、なんにせよ、人間との接触は極力避けたいし、まずはここから離れよう!」
(プレイヤー名)は獣人マーティと共に、古びた迷宮の奥を目指すことになった。
>>迷宮を進む<<
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準備はできたみたいだね。
よーし。怖いけど、そろそろ行こっか……!
まずは500kmぐらい進んでみよっか。
あ、転ばないようにね?
そうだ。これ、誰かの落し物なんだけど。
預かっておいてもらってもいいかな?
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輝紅玉のブローチを1個手に入れました。
さあ、一緒に行こう!大丈夫、なんとかなるさ!
迷宮を進む
エピローグ
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「音が近くなってきたね。うぅ……。怖いけど、ここまで来て引き返すわけにはいかないしなぁ」
――そんなに怖いのなら、引き返すのも手だと思うけど。
(プレイヤー名)は震えるマーティを気遣い、助言をする。
「優しいんだね、君は。けど、ただでさえ世間から切り離された生活をしているからさ。自分の住み家で起こっていることぐらいは知っておきたいんだ」
それに、とマーティは続ける。
「もし、困っている人がいたら放っておくわけにはいかない。それが同胞でも、人間でもね」
一見、彼は臆病に見える。が、その内からはなにか強い意志のようなものが感じられる。
「はぁ、はぁ……。よ、ようやく追いついたかもですよ、勇者様!」
「へ?う、うわわっ!?き、君は……!」
「さあ、勇者様!天才魔道士アモルが来たからにはもう安心です!共に魔王クリーヴァを討ちに…………。あ、あれれ?」
とうとう少女に追いつかれてしまった(プレイヤー名)とマーティ。しかし、二人の顔を見た魔道士はポカンとした表情をしている。
「ゆ、勇者様じゃ、ない?人間と……。獣人さん?」
「あ……。え、えっと。誰かと勘違いしているようだけど……。ぼくは、その……」
その時、奥の空洞で大きな音と地響きが鳴り轟く。
……どうやら、最深部では何者かが壮絶な戦いを繰り広げているようだ。
しかし、音はゆっくりと止み……やがて、土埃と共に静寂が訪れた。
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「げげっ。魔王様……。まさかの勇者と相討ち?歯切れ悪いなぁもう……。まぁ静かになったし、別にいっか」
土埃の奥から、脱力感に満ちた声が聞こえてくる。
「……!誰かいるみたいだ。二人とも、気を付けて……」
が、マーティの忠告は……
「ひょえ~っ!ゆ、勇者様~っ!すぐに加勢します~!」
アモルと名乗った少女の耳には、残念ながら届かなかったようだ。
「ま、待つんだ!一人じゃ危ないって!」
彼女を追う形で、マーティと(プレイヤー名)も迷宮の最深部へ足を踏み入れるのだった……。
勇士の聖譚曲 ~影牙の咆哮~完
一体、迷宮の奥で
何が起こっているのか!?
何が起こっているのか!?
182:勇士の聖譚曲 ~影牙の咆哮~
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開始前
迷宮の最深部で
待ち受けていたものとは!
待ち受けていたものとは!
迷宮に潜む者を倒そう
プロローグ
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「さーて。だるいけど、魔王様がやられたって事実を世間に知られちゃまずいしね。まずはこのフロアを封鎖して……ん?」
マーティ達と、土埃の奥にいる少女の目が合う。
「げっ、ウソ……マジ?もしかして、見られちゃった系?」
岩の怪物の上に座りながらぷかぷかと宙に浮いている少女は、やれやれと言った様子でため息を吐く。
「うわー、最悪だよもう……。せっかく魔王迷宮の管理人っていう名目でグータラ生活できてたのに。君達のせいで台無しじゃん!」
諦めたように、少女はパチンと指を鳴らす。すると、先ほどよりも大きな揺れが迷宮中を震わせる。
「あー、ほら。見られたからには帰すワケにはいかないってヤツ?本当はこんなことしたくないんだけどさ。仕事は仕事ってことで。んじゃ、さいなら~」
もう一度指を鳴らすと、少女の姿は完全に消え去り……期を同じくして、迷宮の崩落が始まった。
「わわ!?ま、まずい……。すぐに逃げないと!ほら、君も一緒に!」
咄嗟に、マーティはアモルに手を差し出す。
「け、けど、まだ勇者様がどこかにいるかもですし……」
「捜している時間はない!とにかく、今は自分が生き残ることだけを考えるんだ!」
マーティの説得が届いたのか、アモルは彼の手を取り、小さく頷いた。
「よし、行こう!(プレイヤー名)も、はぐれないようにね!」
(プレイヤー名)達は全力で走り、来た道を引き返していく。このまま走り続ければ、なんとか……。
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「貴様ら、何者だ!?」
そんな淡い希望を打ち砕くかのように、一人の弓士が目の前に立ち塞がる。
「ほう。そこの少女は見たことがあるぞ。確か勇者ハイルと共にいた、おっちょこちょいの魔道士だな」
「あ、あなたは確か、魔王クリーヴァの配下の弓兵……エズラ!?」
睨み合うアモルとエズラ。どうやら浅からぬ因縁があるらしい。
「え?なになに?知り合い?知り合いなの?ねえねえ」
そして、全く状況についていけないマーティ。
「なるほど。貴様らは勇者一行ということか。クリーヴァ様に加勢しようと来てみたが……。まさか、こんなところで出会うとはな」
弓を引くエズラ。こんな時だというのに、どうやら戦うつもりのようだ。
「ま、待つんだ!今は脱出するのが先だろう!君まで巻き込まれてしまう!」
「構わん。クリーヴァ様に仇なす者を討つことができるのならば、この身など!」
容赦なく矢を放つエズラ。
「ひょええ~っ!?」
悲鳴を上げるアモルを抱えると、マーティは素早く身をかわす。
「チッ、すばしっこい獣人め……。しかし、我が愛弓ガーンデーヴァから逃れることはかなわぬぞ!」
マーティは牙を剥き、鋭い爪を構える。
「……。わかった。どうしても戦うというのなら……ぼ、ぼくが相手になってやるッ!!」
>>迎え撃つ<<
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位置登録をしておけば、道に迷わず進めるかもね。
迷宮がどんどん崩れていく……!早く逃げないと!
こ、怖い……。けど、戦わなきゃ!生きるために!
手を取り合って戦えば、どんな敵だって怖くないぞ!
みんなで助け合う。それが最も尊いことだと、ぼくは思う!
運はそんなに良くないけど、悪運は強い方なんだ!
怖いけど、今は前に進む時だ!い、行くぞ……!
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こんなところでやられてたまるか……!
やるって言うなら……。あ、相手になるぞ
迎え撃つ!!
エピローグ
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エズラを退け、マーティ達は崩落する迷宮から脱出することに成功した。
「ああ、勇者ハイル様……。やはり、ぺしゃんこになってしまわれたのでしょうか……。おいたわしや……」
落ち込むアモルに、マーティは優しく声をかける。
「君にとって大切な人だったんだね。かわいそうに……」
「……。まぁ、さほど長い付き合いではなかったので、大切な人というわけではないかもです」
「……へ?あ、ああ。そうなんだ……」
思った以上にあっけらかんとした様子のアモルを見て、マーティはポカンとしている。
「そ、そういえば……。君は、どうしてぼくのことを怖がらないの?ぼく、獣人なのに」
「え……?ああ、そんなことですか。確かに、獣人が人間を襲うという話はたまに聞くかもですけど、私は直接被害に遭ったわけではないですし」
それに、と続ける。
「迷宮の中で、私は何度もあなたに助けてもらいました。怖がる理由なんて一つもないかもです。けど、困りました……」
はぁ……と、アモルは深いため息を吐く。
「今、城下町は大変なことになっているのに……。すぐに勇者様に加勢してもらわないといけない状況なのにぃ……」
すると、突然背後から声が聞こえた。
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「これは……。魔王の迷宮が崩れている……?ゆ、勇者殿は無事なのか!?」
女騎士の姿を見たアモルは、わたわたと慌てふためく。
「ま、まずいかもです!こ、ここはとりあえず……。獣人さん、失礼します!てりゃっ!」
「へ……?わわっ、な、なになに!?なにするのぉ!?」
どこから取り出したのか……。アモルは騎士の甲冑と鎧を強引にマーティに着せる。
「迷宮の最深部でこっそり回収しておいた勇者ハイル様の鎧です。しばらくの間、あなたには勇者ハイルになってもらいます!というか、お願いします!冗談抜きで人類の危機なのです!」
「そ、そんなこと言われても、こんなのすぐにバレちゃうって!」
やがて、マーティ達の姿を視界に捕えた女騎士がこちらに駆け寄ってくる。
「勇者殿……!よかった、ご無事だったか!」
「……へ?あ、いや。ぼくは……あの……」
「生きて戻って来た……ということは、魔王を討ったのか?さ、さすが勇者殿だ!」
跪き、英雄の甲冑と鎧を纏ったマーティに深く頭を下げる女騎士。
「……だが、貴方の力がすぐにでも必要なのだ。今、城下町は魔族の侵攻を受け、今にも崩壊しようとしている!どうか……。どうか、力を貸してほしい!勇者殿!」
(プレイヤー名)は甲冑の中から聞こえたマーティの声を聞き逃さなかった。
「……と、とんでもないことになっちゃった」
勇士の聖譚曲 ~戦爪の咆哮~完
獣人が勇者に!?
彼を待ち受ける運命は……
彼を待ち受ける運命は……
183:勇士の聖譚曲 ~英雄の咆哮~
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開始前
戦乱の街へ飛び込んだ一行。
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魔族を退け、
人々を救うことはできるのか?
人々を救うことはできるのか?
プロローグ
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行方不明になった勇者のフリをすることになってしまったマーティは、流されるがままレンゲル王国の城下町へとやって来た。
「……!こ、これは……。まさか、外がこんなことになっていたなんて……!」
街は、魔族の襲撃を受けていた。
「……。不甲斐ない。勇者殿が魔王を討ちに行っている間、街の方は騎士団が守るはずだったのに。あまりの数に押され、このミルフィアがいながらご覧の有様だ」
ミルフィアが落胆する中、アモルはこっそりとマーティに耳打ちをする。
「勇者様が生死不明だとバレてしまえば、騎士団の士気は一気に落ちてしまいます。だから、マーティさんにはしばらく勇者のフリをしてほしいかもです」
「う、うーん……。事情はわかったけど、すぐにバレちゃうんじゃないかなぁ?尻尾とか全然隠せてないし……」
「大丈夫かもです!マーティさんがなるべく人間に見えるよう、甲冑と鎧に幻術を付与しておきましたので!」
アモルがそう口にした瞬間……。近くから大きな音が聞こえた。
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「……。ねえ、女騎士さん。そこをどいてくれないかしら?私はただ、この辺りで芳醇な肉の香りがしたからテイスティングしに来ただけなのよ」
「その問いに対する答えは……ノーです。これ以上、魔族を街に入れるわけにはいきません」
そこでは包丁を持った魔族の女と、一人の女騎士が戦いを繰り広げていた。しかし、女騎士の方が僅かに押されているようだ。
「……!シェスカ、無事か!?」
二人の姿を見たミルフィアは、すぐに女騎士の方へ加勢する。
「ミルフィア……!?よかった、あなたも無事だったのですね」
「姫様は?エーベ姫は無事か?」
「ええ。すでに遠方へと避難されました……。それで、ミルフィア。勇者殿の安否は?」
「ああ。無事に魔王クリーヴァを討ち倒し、凱旋なされた!今から王国の防衛戦に加勢してくださるそうだ!」
二人の女騎士から期待の眼差しを向けられるマーティ。
しかし、熱い眼差しをマーティに向けていたのは、敵もまた同じだった。
「……!刺々しくもかぐわしい、独特の臭み……。間違いないわ!これはウェアウルフの肉の香り!」
魔族の女は包丁の切っ先を女騎士から、鎧を纏ったマーティの方へと向ける。
「お願い!あなたの肉をスライスさせて!ちょっとだけ、ほんのちょっとだけでいいから!ウェアウルフの肉がないと、私の究極の料理が完成しないの!」
ポカーンと、口を開けるマーティ。
「……え?そ、それって……。ぼく、食べられちゃう……って、こと?」
「ちょっとだけでいいのよ。ああ、でも……。せっかくだから、レバーもフィレもリブもバラもサーロインも欲しいわね!」
「ほぼ全身じゃないか!カ、カンベンしてよ!ていうかぼく、絶対おいしくないよ!?」
「安心して!三ツ星料理人ウゴアギの名にかけて、おいしく料理してあげるから!だから、ね?おとなしく捌かれて?」
「うわあっ!?き、来た……!」
>>迎撃する<<
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ランキングに関係なく、一定数の【獣人メダル】を集めると役立つアイテムが貰えるんだって!
皆はぼくが救ってみせる!仮初の勇者として……。そして、ウェアウルフとして!
アイテムショップで手に入る「アレスの鍛錬書」を使えば、苦労せずLv80になれるんだってさ!
「土地力」はウェアウルフにとって貴重なエネルギーなんだ。積極的に溜めていこう!
一人でいる時間も好きだけど、今は仲間と一緒にいる時間を大切にしたいんだ!
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強い敵を倒していけば、より多くの【獣人メダル】が貰えるみたいだ。
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敵の情報は、他のプレイヤー達が「イベント掲示板」に書き込んでくれるから、まめにチェックしておこう!
イベント掲示板をみる
クエストか……。
戦いはなるべく避けたいけど、
勇気をもってやってみるべきかもしれない!
街を救う
鷹眼狩人バトル
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「フ、フフ……。たとえ魔王様が敗れようとも、魔王軍は止まらないわ……。だって、魔王様……は……」
なにかを言いかけ、ウゴアギは倒れた。
「……。あやつめ。勇者殿のことをウェアウルフなどと。なにをワケのわからぬことを……」
ミルフィアの言葉に、マーティは表情を引きつらせる。
「崇高な勇者殿を野蛮な獣人と一緒にするとは、失礼にも程がある。そうは思わないか?勇者殿」
誇らしげに語るミルフィア。
「…………。うん。そう、だね」
……彼は、甲冑の中で無理やり笑顔を作っているのだろう。かいちょにはその表情が容易に想像できた。
「どうか、お気を悪くしないでください。ミルフィアは昔、獣人に故郷を襲撃された過去があるのです。勇者殿のおかげで彼女は助かりましたが、彼女の家族は……」
マーティの耳元で、シェスカがそっとつぶやく。
「なので、ミルフィアにはしばらく……。いいえ、これからも正体を隠し続けてあげてほしい。彼女は勇者という存在に依存することで、自分を保っている状態ですから」
「……!も、もしかして……。ぼくが獣人だって、気付いてる?」
「剣筋を見ればわかります。獣人とは何度か剣を交えたことがありますから。それに、勇者ハイル様とは明らかに戦い方が違ったので」
けれど、ご安心を……。と、シェスカは続ける。
「このことは内密に致します。どういう経緯かはわかりませんが、貴方は私を救ってくださった。海よりも深き感謝を、心から…………」
「……ハッ!?危ない!勇者殿!!」
マーティの体をドン、と押すミルフィア。すると、一本の鋭い矢がマーティの立っていた場所に深々と突き刺さっていた。
「ミ、ミルフィア!大丈夫かい!?」
矢が掠ったのか、ミルフィアは腕から血を流していた。
「ご、ごめんよ。ぼくを庇ったばかりに……!」
「なにを言うか。勇者殿が受けるはずだった傷を肩代わりできたのなら、騎士としてこれ以上光栄なことはない」
強気に微笑むミルフィア。その堂々とした姿に、マーティは心を揺さぶられる。
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「くっ、運のいいヤツ。けど、次は外さないんだからっ!」
その姿を見た者は、誰もが驚きの表情を浮かべていた。
「に、人間!?バカな!どうして人間が勇者殿に矢を向ける!?」
ミルフィアの大声に、弓を持った少女は不敵に微笑む。
「子どもの頃から森で狩りをしてきたエルメの目はごまかせないわ。その鎧の中……。あなた、人間じゃ……。ほわあっ!?」
言い終える前に、アモルの火炎魔法が弓を持った少女の足元に放たれる。突然のことに、マーティは唖然としてしまう。
「アモル!?ちょ、ちょっと、なにしてるの!?」
「ここであなたの正体がバレるわけにはいきません!彼女にはちょっとの間、眠ってもらうべきかもです!」
もくもくと立ち上る煙の中から、弓の少女は再び姿を現す。
「ごほっ、ごほっ……。あ、あったま来た!こうなったら、とことん相手になってやるわ!」
弓を構え直す少女に向かって、マーティは叫ぶ。
「ま、待ってくれ!ぼくは君と戦うつもりはないんだ!頼む、話を聞いてくれ!」
説得する
潜影妖魔バトル
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剣をしまい、エルメに手を差し伸べるマーティ。
「君と争うつもりはないんだ!どうか、話を聞いてほしい!」
ミルフィアに聞こえないよう、マーティは小さな声で彼女に事情を話す。
「……。そういうことだったの。確かに、勇者が行方不明ということが知れ渡ったら魔族達は勢いづくだろうし、王国騎士団の士気は下がるでしょうね」
マーティの手を借り、エルメは立ち上がる。
「……ごめんね。獣人が魔族に手を貸しているところを見たから、思わずあなたのことも攻撃しちゃったけど……。あなたは他の獣人と違うみたい」
「わからないかもですよ~?男は狼なのよ~って言いますし」
アモルの冗談に、エルメは首を横に振る。
「ずっと森で過ごしてきたんだもの。こうして話をすれば、彼がいい獣人だってことぐらいわかるわ。……それと、アモルとか言ったわね。あんたはイヤなヤツよ!間違いないわ!」
……。二人の間に生まれた溝は、しばらく埋まらなそうだ。
「っと、自己紹介が遅れたわ。森の狩人エルメよ。今は街のピンチにこっそり力を貸してる助っ人って感じ。よろしくね。あ、それと……。そこの騎士さん、これを使って。森の野草で作った軟膏なの」
深く謝罪をしながら、エルメはミルフィアに薬を渡す。ミルフィアも彼女のことを許したようだ。
「……。エルメ。獣人軍が魔族に手を貸してるって言ってたけど。本当かい?」
マーティの問いに、エルメは頷く。
「騒ぎに乗じて、獣人軍が魔族側について王国を滅ぼそうとしているの。さっき高台から確認したけど、かなりの数だったわ」
「……!お、おのれ、獣人どもめ!なんと卑劣な連中だ!」
獣人という単語を聞き、ミルフィアが怒りの声を上げる。マーティは少し心を痛めつつも、問いを続ける。
「あのさ。その中に、ウサギの獣人がいなかった?短剣を二本持ってる……」
「ええ。お城の方にいたわよ。ていうか、一度見たら忘れられないわ。あの獣人、十人以上の騎士をたった一人で蹴散らしていたんだもの。多分、あれがリーダーだと思うけど」
まさか……。と、マーティが小声でつぶやいた瞬間……。
「わ……?うわわっ!?えっ、なになに!?」
唐突に、マーティの影が蠢き始め、そこから一人の少女が姿を現した。
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「聞いちゃった。シャドーラは聞いちゃいましたよーっと。なるほど、勇者は行方不明なのねーっと」
眠そうな瞳で淡々と話す魔族の少女。
「んじゃ、さっそく魔王軍にこのことを伝えないとねーっと」
立ち去ろうとするシャドーラ。しかし、彼女の目の前にミルフィアが立ち塞がる。
「貴様の目は節穴か?勇者殿は貴様らの将を倒し、こうしてここにいるではないか!無駄な抵抗は止め、ただちに人間界より立ち去れ!」
「いやいや、目が節穴なのはどっちだよっつー話……。ってなに?もしかして、あたしとやる気?」
多勢に無勢……などという言葉は、シャドーラの辞書には載っていないようだ。
「いいよ。まとめて相手したげる。ま、あたしの影の手から逃れられるヤツは……一人もいませんよーっとッ!」
撃破する
獣刃戦吼バトル
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「ったく、人間界は思ったように動けなくてしんどいっつー話。トドメ刺される前に退散ーっと」
影に潜む魔力すら失ったシャドーラは空へ羽ばたき、そのまま空の彼方へと消えていった……。
偽勇者がもたらしたその勝利は、騎士達の戦意を上げることに成功。戦況は人間側が優勢となった。
「はいは~い。勇者様はお疲れなので近づいちゃダメかもですよ~」
街の人々や騎士達に感謝されるマーティだったが、アモルは彼に近づく人々を雑に追っ払う。
「そういえば、勇者殿。その竪琴はどこで?確か、迷宮へ向かった時は持っていなかった気がするのだが」
ミルフィアの問いに、マーティはぎくりと耳を揺らす。
「め、迷宮で拾ったんだ。この戦いが終わったら弾いてみようかなって」
その返事に、ミルフィアは…………必死に笑いを堪えていた。
「い、いや、すまない。音楽や舞踏にまるで才がない貴方が竪琴を奏でる姿が想像できなくてな」
しまった、と尻尾を揺らすマーティ。
「なんだか変わられたな、勇者殿は。武人然とした貴方のことも尊敬していたが、今は安心感と親しみを覚える。貴方と一緒なら、魔族に手を貸す獣人どもに遅れを取ることもあるまい」
「…………。ミルフィアは、獣人が嫌い?」
多くの騎士達を連れ、獣人が出現したという城付近へと向かう道中。ふと、マーティはミルフィアに尋ねる。
「ヤツらは私から故郷と家族を奪った。許すことはできない」
しかし……と、ミルフィアは続ける。
「幼い頃、私は夜が怖くて眠れない時があった。そんな時、母はよく子守唄を聞かせてくれてな。その歌は、音楽を好むウェアウルフという獣人が作った曲だったのだ」
笑顔で語るその表情に、憎悪の色は一切感じられない。
「獣人は今でも憎い。しかし、人間にも善人と悪人がいるように、獣人にも善人と悪人がいるのだろう。いつしか、そんな風に思うようになった」
ミルフィアはマーティを見つめ、少し頬を染める。
「勇者殿。この戦いが終わったら……。どうか、一曲聴かせてくれないか?」
迷うことなく、マーティは答える。
「もちろん、喜んで…………ッ!?み、皆、耳を塞いで!早く!」
言われた通り、マーティの仲間達は咄嗟に耳を塞ぐ。
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「クフフ、さすがマーティだネ。咄嗟にボクの超音波の予兆を感じ取るなんテ!」
宙を舞いながら、小さな獣人がケラケラと笑う。
「鎧なんか着てもあたしの鼻はごまかせないよ、マーティ。さぁ野郎共!こいつらを囲んじまいな!」
物陰から現れた何人もの獣人達が、マーティ達の周囲を囲み……。その中から、一人の少女が姿を現す。
「……!やっぱり、リーダーは君だったのか」
マーティの小さな声には、どこか落胆の色があった。
「……。どうして人間の味方をしているの?人間達が私達にしたこと、忘れちゃった?」
「でも、リグゼー!魔族と組んで街を襲うなんて、絶対に間違ってる!」
「人間がいなくならないと、私達は永遠に迫害される。違う?」
淡々としながらも、彼女の声には悲痛に近い感情が込められていた。
「それともあなたは、私達になにもせずに死ねって言うの?」
リグゼーは剣を抜き、その切っ先をマーティに向ける。
「だとしたら、あなたは私達の敵。兄弟子を殺めるようなマネはしたくないけど、立ち塞がるのなら……」
……今の彼女に言葉は届かない。マーティは本能的にそう悟った。
刃を交える
獅師奮迅バトル
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「……っ、どうして……。どうして、私は……。あなたに勝てないの……?」
膝をつくリグゼー。同時に、騎士達と戦っていた獣人軍達の攻撃も止まる。
「どうして、あなたは人間の味方をするの?あなただって、人間に家族を殺されたのに」
激情の込められたリグゼーの問いに、マーティはゆっくりと口を開く。
「……紹介するよ、リグゼー。彼女はミルフィア。家族と故郷を、獣人に奪われた人間だ。わかるだろう?君と同じ境遇なんだ」
唐突に名を呼ばれ、ミルフィアは大きく動揺する。
「彼女は獣人を憎んでいると言った。けど、獣人にもいいヤツと悪いヤツがいる。だから、全ての獣人を憎んでいるわけではないと。そう言っていた」
剣をしまい、マーティは続ける。
「人間だって同じだ。ぼくらを迫害した悪い人もいるけど、ここにいる彼女達のように優しい人もいる」
……気が付けば、この場にいる全員が武器を構えるのをやめ、沈黙していた。
「誰かを憎んでもいい。けど、全ての人間を憎んじゃいけない。憎しみに身を任せて、なんの罪もない人まで傷つけちゃダメだ」
リグゼーにそう告げると、マーティは大声で叫んだ。
「皆、聞いてくれ!ぼくは勇者ハイルじゃない!ぼくは……ウェアウルフ族のマーティという者だ!勇者ハイルは魔王との戦いの末、行方知れずとなってしまった!だから、ぼくは勇者不在の報を広めないため、勇者のフリをしていた!」
動揺と驚きのあまり、ざわめく人間達。
「……な、なにを言っているのだ?勇者殿が、獣人なワケ……が……」
ミルフィアの言葉に、マーティは謝罪の言葉を述べる。
「な、なぜだ……!なぜ、こんなことを!人間に恩でも売ったつもりか!?」
「……困っている人がいた。それを知ったから、放っておけなかった」
迷いのないマーティの言葉。
「本当にそれだけなんだ。ミルフィア」
ここまで共に死線をくぐってきたミルフィアは、その言葉が紛れもない真実であることを理解する。
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「オーッホッホッホ!どうやら獣人達は戦う牙を失くしたようね!まぁ、魔王軍最強であるこのポイズニーは最初から獣人のことなど信」
「語るようになったのう、我が弟子マーティよッ!しかし、それは言葉にすぎんッ!皮相な理想論だッ!」
「用していな……って、ちょっと誰よアンタ!?割り込まないでもらえる!?」
「力なき言葉は無力ッ!言葉なき力は暴力ッ!なれば、武をもって発してみせよッ!お前の言葉をッ!」
マーティ達の視界に写ったのは、武人然としたトラの獣人。
「テ、ティガラス先生!?人間にも獣人にも干渉しないあなたが、どうしてここに……?」
「愚問だなッ。我はそこの魔族と組み、無駄な争いを続ける愚かな人間と獣人……その両種を斬りにきただけよッ」
「はあ!?な、なに言ってんの!?あんたと手を組んだ覚えなんてないんだけど!?」
ポイズニーを無視して話を進めるマーティとティガラス。
「我が元から去りし時、お前は言ったなッ。もう、人間にも獣人にも関りたくないとッ。ゆえに、臆病なお前は世間から逃れ、安住の地へと逃げたッ。違うかッ?」
師の言葉を受け、俯くマーティ。
「……っ、先生の言う通りだ。でも、ぼくはもう逃げない……。人間と獣人の融和のために戦うと決めたんだ!」
「ほうッ……。ならばッ、その両種を斬らんとする我は、お前の敵ということになるッ」
ゆっくりと刀を抜くティガラスに、マーティは首を横に振る。
「ダ、ダメだ!先生と戦うなんて、ぼくにはできない!」
「…………なるほどッ。ならば、仕方があるまいなッ」
瞬間……ティガラスは姿を消す。そして再び姿を現したかと思うと、リグゼーの首に刀の切っ先を向けていた。
「……っ!?し、師匠……?」
「お前の兄弟子があまりに情けないのでなッ。悪いが贄となってもらうぞ、リグゼーよッ!」
「……!や、やめろ!リグゼーに手を出すな!!」
剣を抜きながら、マーティは素早くティガラスに飛びかかる。
ティガラスは大きく後ろへ飛び、その攻撃を軽く避けてみせる。
「フンッ、ようやくその気になったかッ!さぁ、来るがいいッ!我が一番弟子よッ!」
「ちょ、ちょっと!わたくしを無視して勝手に話を進めないでもらえる!?」
師と刃を交える
聖魔共刃バトル
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「人を守り、獣を庇う人狼かッ。やはり我が心眼に狂いはなかったようだッ」
戦いの途中で、刀を鞘に収めるティガラス。
「せ……先生?もしかして……ぼくを、試していたの……?」
「我が刃をいなせぬようでは、魔を討つことなど不可能ッ。どのみち、このままでは人も獣も滅びるさだめよッ」
大きく息を吸い込み、ティガラスは叫ぶように声を発する。
「人よッ!獣人よッ!魔の軍勢を止めるには、もはや共に手を取り合う他ないッ!でなくば、あやつに打ち勝つことは叶わぬッ!」
再び武器を抜いたティガラス。刀の切っ先は……高台の上に立つ、一人の男に向けられていた。
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「なんだ、気付いていたのか。気配は絶っていたのだがな」
男が指を鳴らすと、その背後から魔族の大軍が姿を現した。
「あ、あれは……勇者ハイル殿!?な、なぜ……。なぜ貴方が魔族の軍勢を引き連れているのだ!?」
動揺するミルフィアに、アモルが冷静に答える。
「……。違います。あの人は私の知っている勇者様ではないかもです。体を、乗っ取られている……?」
「ご名答。俺はあの迷宮の深部にて勇者ハイルと戦い、敗れた。しかし、今際の際にヤツの身体を乗っ取ることで、こうして生き永らえたのだよ」
男は高台から飛び降り、地面にヒビを走らせながら着地する。
「聞け、獣人達よ!このクリーヴァ率いる我ら魔族は、お前達と鉄の同盟を結ぶ所存である!そして、共に人間を滅ぼそうではないか!さすれば、お前達が虐げられる時代は終わるのだ!」
……魔王の言葉に、人間も獣人も動揺を隠せずにいた。しかし、そんな中。一人だけ魔王に近づく者がいた。
「ほう。貴様が代表者か?誇り高き人狼の戦士よ」
「……本当に、平等な世界を創ってくれるの?」
「約束しよう。我が力によって人間を根絶し、魔族と獣人が平等に住むことのできる世界を創ると」
そう言うと、クリーヴァはマーティに手を差し伸べる。
「…………。これは獣人の総意でも、人間の総意でもない。あくまで、ぼく個人の想いだ」
大きく深呼吸をしたあと、マーティは鋭い眼光でクリーヴァの双眸を見据える。
「ぼくは人間と関わって、人間と獣人が共に歩んでいく未来を信じられるようになった」
マーティの言葉は、ここにいる全ての者達の耳に届いていた。
「だから……お前の支配は、ぼく達には必要ない!」
「……ふむ。一つ聞こう、人狼の戦士よ。お前は、人間が好きなのか?」
なにも言わず、マーティは頷いた。
「……残念だ。お前を誇り高き戦士と見込み、我が軍に引き入れようと思っていたのだが……。まぁよい。その答えを貴様らの総意とみなす。では、散れ」
クリーヴァの剣がマーティの頭上に迫る。
「……っ、ミ、ミルフィア!?」
咄嗟のことに反応できなかったマーティ。しかし、その一太刀はミルフィアの剣によって防がれた。
「……獣人は、憎い。もしかしたら、一生許せないかもしれない。だが、勇者殿……いや、マーティ」
全身全霊でクリーヴァの剣を止めながら、ミルフィアは初めてマーティの名を呼ぶ。
「あなたのことは、好きだ。今は、それでいいだろうか……?」
全身に力が漲るのを感じながら、マーティはクリーヴァに斬りかかる。
対するクリーヴァは舌打ちをしつつ、二人から大きく距離を取り、剣撃をかわす。
「……。ミルフィア。ぼくと一緒に戦ってほしい」
マーティが、ミルフィアに手を差し伸べる。
「断る」
「……………………えっ?あ、あれ?」
あたふたとするマーティを見て、ミルフィアは優しく微笑む。
「断ったうえで、こちらから頼みたい。マーティ。どうか、私と一緒に戦ってほしい」
手を繋ぐ二人。その瞬間、騎士と獣人軍から大喝采が上がった。
「……愚人どもが結託したか。しかし、即席の連合軍ごときが、我が魔王軍に本気で勝てると?」
「他者の体を乗っ取ることでしか存在を保てぬ外道に、愚人などと呼ばれる謂れなどないわッ!」
魔王の背面へと移動していたティガラスとリグゼーが、同時に武器を構える。
「……。マーティを傷つけるなら、魔王だろうと容赦しないから」
やれやれ、とため息を吐くクリーヴァ。
「阿呆どもが。では、まとめて滅してくれよう。せいぜい足掻いてみせろ、汚らわしき愚人ども!」
魔王に立ち向かう
エピローグ
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「チィ……!よもや、これほどの力を秘めているとは……」
ふらふらとよろめきながら、クリーヴァは充血した瞳でマーティを見据える。
「……人狼の戦士よ。たとえこの戦いが貴様らの勝利で終わろうとも、お前ほどの力を持つ獣人を人間どもが放っておくと思うか?命と名誉を守るためであれば、人間は魔族よりも残酷になれる!人間に虐げられ続けた貴様になら理解できるであろう!?」
地に突き刺した剣で体を支え、狡猾な笑みを浮かべる魔王。
「予言しよう。この戦いのあと、貴様は必ずや人間に追われる身になると!さぁ、それでも人間のために戦うというのか!?」
……数秒の沈黙のあと、人狼の戦士は口を開いた。
「その時は……ぼくは、この地を去る。そのあと、また誰かに必要とされる時が来たのなら……その時は、また帰ってくるよ」
「……っ!?な、なんなのだ。なんなのだ、貴様は!……ぐっ、うおお、ぉ!?」
唐突に、クリーヴァが胸を抱えて苦しみ出す。
「か、体の自由が……!バカな……ハイルの、魂ガ……制御、デきナ……っ、ギッ、ぐァあああああア!!」
どす黒い煙のような塊がクリーヴァの体から浮き上がる。
次の瞬間、体の内側から迸った光に飲まれ、黒い煙……クリーヴァの魂は、閃光のように霧散する。
同時に、魔族達の軍勢も黒い煙に包まれ……姿を消していった。
「勇者様は…………気絶しているだけかもです。魔の気配は……もう、しません」
「……そっか。よかった」
倒れた勇者ハイルの容態を見たアモルの言葉を聞き、マーティはほっと胸をなで下ろす。
「あ。でもすぐに手当てしないとマズイかもです。ほらマーティさん、これ見てください。ビックンビックン痙攣してます。体への負担がよっぽど大きかったみたいですね~。ツンツン」
「ええっ!?ちょ、ちょっとアモル、そういうことは早く言ってよ!とと、とにかく彼を運んで手当てしないと!(プレイヤー名)、手伝ってもらっていい!?」
(プレイヤー名)は頷き、マーティと二人で勇者ハイルの体を抱え上げる。
「ミ、ミルフィア、リグゼー。その、この場は君達にまかせてもいいかな……?」
「……フッ、大役だな。承知した」
「…………マーティがそう言うなら」
快諾するミルフィアと、渋々といった様子のリグゼー。二人は大衆の前に出ると、空高く剣を掲げた。
「諸君!我々の……我々、人間と獣人の勝利だッ!!」
…………その日、レンゲル王国は今までにないほどの大喝采に包まれた。
幸い、とでも言うべきか。この戦争で一度は魔族に加担した獣人軍は、人間側に負傷者こそ出したものの、
本格的に参戦する直前にマーティが止めに入ったことで、少なくとも獣人の手によって命を落とした人間は一人もいなかった。
とはいえ魔族に加担したのは事実であるため、リグゼーは獣人軍の代表として自ら裁きを受けることを望んだ。
しかし、獣人軍が王国側にもたらした功績は偉大であると評議会より裁定され、
人間と獣人との間に締結された平和条約の獣人側の代表者として尽くすという条件の下、リグゼーの罪は実質的に免除となった。
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「うぅ……。あんな人数の前で演奏することになるなんて……。き、緊張する……」
「なにを言っているのだ、英雄殿。命をかけて魔王を討ち、勇気をもって人間と獣人を融和へと導いたお方が、宴の演奏を前にして緊張などと」
大衆の前で演奏会を控え、逃げ腰のマーティをここまで引っ張ってきた(プレイヤー名)とミルフィアは、やれやれとため息を吐く。
「あ。そうだ、ミルフィア。ぼくのことは、その……あの時みたいに、マーティって呼んでほしいな」
「むっ……。だが、貴方は英雄であり、人間と獣人の平和の象徴でもある。これからは親善大使としても活動されるのであろう?ならば、私にとって貴方は仕えるべき……」
「いやいや。親善大使って言っても、政治的な力は持たないって話だし」
「そ、そんなことは関係ないっ。私はあくまで個人として、これからも貴方に」
「……?個人として関わるなら、名前で呼んでも問題ないんじゃない?」
むう……と唸りながら、ミルフィアは顔をしかめる。
「……ひ、卑怯だぞ。マ……マーティ」
視線を逸らしながら赤面するミルフィアを見て、マーティは少年のような笑みを浮かべる。
「ありがとう、ミルフィア。君の顔を見ていたら緊張が和らいだ」
「……んな、なっ!?そ、それはどういう意味だ!?」
「あ、時間みたいだ。それじゃあ行ってくるね。(プレイヤー名)、ミルフィア」
「待つのだ!さ、先ほどの発言についての真意を……」
「演奏が終わったら話すよ。その前に、まずはやらなきゃいけないことがあるからね」
カーテンをくぐりながら、マーティは言った。
「約束したから。戦いが終わったら、君に一曲聴かせるって」
……彼の姿がカーテンの奥へ消えたあとも、ミルフィアはしばらくそこに立ち尽くしていた。
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――――数年後。新調されたレンゲル王国の国旗には、人間と人狼が共に剣を掲げる姿が描かれたという。
勇士の聖譚曲 ~英雄の咆哮~完
アイテム一覧
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エリア | R1 | R2 | R3 |
---|---|---|---|
1 魔王軍侵攻空域 | 飛来せし魔王軍 | 奇襲作戦 | 止まらぬ行軍 |
2 次元空裂ゲート | 歪みの中心 | 負力場 | 魔族の前哨基地 |
3 霊山マーグ・ノア | 修行山道 | 崩落の岩壁 | 獣達のねぐら |
4 安らぎの深緑園 | 木の上の少女 | 汚された自然 | 王国民の休息所 |
5 境の城壁門 | 外郭騒乱戦域 | 内郭防衛戦域 | 石壁の門 |
6 王国民達の居住街 | 人気のない商業区 | 荒らされる家々 | 逃げ遅れた民間人 |
7 聖カロデルナ教会 | 魔族のいる聖堂 | 緊急病院 | 泣きわめく子ども達 |
8 レンゲル城 | 熾烈の籠城戦 | 警護の緊急依頼 | 地下宝物庫 |
9 剣豪詩人の酒場 | 怯えるマスター | 荒らされた酒蔵 | 酔っぱらった魔族 |
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![]() | グロリアス・ハイル(攻撃力:400以上) |
勇者ハイルの使用していた剣。光の力が付与されている。剣の名前は勇者本人がつけたらしい。 | |
![]() | ガーンデーヴァ(攻撃力:350以上) |
魔王クリーヴァの配下、エズラの使用する魔弓。放たれた矢は大岩をも容易く撃ち抜くという。 | |
![]() | スカーレット・ヘヴン(攻撃力:350以上) |
レンゲル王国の騎士、ミルフィアの剣。魔法石が埋め込まれており、使用者の精神力と連動して斬れ味が増す。 | |
【期間】 3月3日 15:00~3月22日 22:59 |
戦闘概要
追跡迷走バトル
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輝紅玉のブローチを所持していると、それを狙うアモルとの追跡迷走バトルが発生します
輝紅玉のブローチを所持した状態で、探索しているとアモルが一定速度で輝紅玉のブローチを奪うために追いかけてきます
アモルに追いつかれると、集めた輝紅玉のブローチを奪われてしまいます
輝紅玉のブローチを奪うとアモルはそのまま逃げ出すので、今度はアモルを追いかけて奪われた輝紅玉のブローチを取り返しましょう
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輝紅玉のブローチを所持した状態で、探索しているとアモルが一定速度で輝紅玉のブローチを奪うために追いかけてきます
アモルに追いつかれると、集めた輝紅玉のブローチを奪われてしまいます
輝紅玉のブローチを奪うとアモルはそのまま逃げ出すので、今度はアモルを追いかけて奪われた輝紅玉のブローチを取り返しましょう
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鷹眼狩人バトル
3月4日 0:00 ~ 3月7日 12:59の期間で、鷹眼狩人バトルを開催します!開催中はエルメが討伐対象として現れます
<オリオンハット集めてアイテムGET>
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戦闘中にエルメから時々、オリオンハットを得ることがあります集めたオリオンハットの数に応じて、レアキャラや豪華アイテムをプレゼント
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<オリオンハット集めてアイテムGET>
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戦闘中にエルメから時々、オリオンハットを得ることがあります集めたオリオンハットの数に応じて、レアキャラや豪華アイテムをプレゼント
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潜影妖魔バトル
獣刃戦吼バトル
3/10 15:00 ~ 3/15 12:59の間、獣刃戦吼バトルを行います
期間中に出現する獣人達と戦闘し、見事打ち勝つと獣人メダルを獲得できます
各獣人達との戦闘で14万枚の獣人メダルを得ると、それぞれの獣人達をプレゼント
【獣刃戦吼バトルランキング】
各獣人達との戦闘で得た獣人メダル枚数によるランキングを実施します
ランキング上位者にはレアキャラをプレゼント
ランキングは、期間毎に行われる獣刃戦吼バトルデイリーランキングと、獣刃戦吼バトル開催期間(3/10 15:00 ~3/15 12:59)を通して行われる獣刃戦吼バトルランキングがあります
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期間中に出現する獣人達と戦闘し、見事打ち勝つと獣人メダルを獲得できます
各獣人達との戦闘で14万枚の獣人メダルを得ると、それぞれの獣人達をプレゼント
【獣刃戦吼バトルランキング】
各獣人達との戦闘で得た獣人メダル枚数によるランキングを実施します
ランキング上位者にはレアキャラをプレゼント
ランキングは、期間毎に行われる獣刃戦吼バトルデイリーランキングと、獣刃戦吼バトル開催期間(3/10 15:00 ~3/15 12:59)を通して行われる獣刃戦吼バトルランキングがあります
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獅師奮迅バトル
聖魔共刃バトル
15:00 ~ 3/22 22:59限定でクリーヴァが現れ、最後の戦いが行われます
期間中47万枚の獣人メダルを獲得した方にはクリーヴァをプレゼント致します
さらに0時、8時、12時、15時、19時、21時、22時台に各1回ずつ、調律王クリーヴァが討伐対象として出現します
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期間中47万枚の獣人メダルを獲得した方にはクリーヴァをプレゼント致します
さらに0時、8時、12時、15時、19時、21時、22時台に各1回ずつ、調律王クリーヴァが討伐対象として出現します
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