碧き鏡界の継承者
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05-碧き鏡界の継承者
6/30 - 7/21
プロローグ
水平線に見えた帆船の影。それは海賊船だった。
「アンタたち、そんな船でどこへ行こうっていうんだい!?」
呼び止められ、海賊船の甲板に招かれると、そこには一団をたばねているらしい、女海賊の姿があった。
「この海は呪われているんだ。そんな小舟じゃどこにも辿りつけやしないよ。」
とはいえどうすることもできない、と困り果てていると、女海賊は思いがけずこう言った。
「アンタたち見たところ腕が立ちそうだし、うちの船でしばらく面倒みてやるよ。
そのかわり、しっかり働いてもらうことになるけどね。フフッ」
働く?何をすれば……、という疑問の言葉に女海賊はこう答えた。
「アタシの名前はフレイヤ。つきあってもらうよ!龍・退・治」
航海を始める
エピローグ
「アタシ、怖かったんだ。ずっと怖かった。もう故郷のことなんてあきらめて、このまま一生海賊でもいいかって思ってたんだ。だから、大いなる力なんていらないって思ってた」
フレイヤの瞳がわずかに潤んでいるのがわかる。だがその表情はこの空のように晴れやかだ。
「でも気づいたよ。大いなる力はやっぱりいらない。それは過去を捨てるってことじゃなくて、人であるからこそ成し遂げられるものがあるってことを知ったからさ」
「アタシ、もう過去を憎んで生きるのはやめる。今はまだタダの海賊のアタシだけど、いつか過去を迎えに行くつもり。ねぇ、(プレイヤー名)。その時はまた、アタシを助けてくれる?」
フフッと笑ったフレイヤの瞳から、一粒の涙が零れた。これまでの苦しみを決意へと変えるささやかな秘宝が、風に乗って陽光きらめく穏やかな海へと溶けていった。
【碧き鏡界の継承者 :完】
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