ビストロ・クラージュ_プロローグ

 
最終更新日時:
story by 佐島但馬


132-ビストロ・クラージュ -アミューズ -

□9月18日 15:00 - 9月24日 22:5□

開始前

迷宮近くの料理店。
元冒険者の少女は
新たな一歩を踏み出す!

プロローグ


(プレイヤー名)が眼を開けると、雑踏の中にいた。
様々な店が軒を連ねており、買い物客が溢れている。
どこかの市場だろうか?

「ねえ、ちょっと聞いてもいい?」

ぼんやりと立って店を眺めていると背後から声をかけられた。
声の方を見ると、元気そうな少女がこちらを見つめていた。

「ビストロの準備に必要な食材ってわかる?」

いきなりの質問に(プレイヤー名)は戸惑っていると、少女は苦笑しながら呟いた。

「いきなり変な質問してごめんね。私の名前はココット。とある事情があって"ビストロ・クラージュ"って料理店を引き継いだの!
だけど、何を買っていいのかわかんないからとりあえず、マルシェに来てみたってわけ!」

何もわからないのに店を引き継いだ――?
なかなかの無茶だと思うが、彼女はどこか自分の状況を楽しんでいるような雰囲気だった。

「まあ、一通り店を見れば思いつくはずよね!よし、あなたも一緒に来て!大丈夫、もう仲間だから!」

何が大丈夫なのか全くわからなかったが、ココットは返事も聞かずに駆け出していく。

「あ!ねえねえ、あの子、可愛い!ウェイトレスにしたいわ!一緒に声かけましょ!」

早速趣旨が違っていることに(プレイヤー名)は苦笑しながら後を追いかけるのだった。

食材を仕入れる


さーて、マルシェで食材買わなくちゃね。
何を買うかはまだわかってないけど……。
大丈夫、行けばなんとかなるわ!

とりあえず500km位進んでみよ!

そうそう、このカップ可愛いでしょ。
ちょっと預かってもらってもいい?

輝栄のティーカップを1個手に入れました

それじゃ、行きましょ!

食材を仕入れる

エピローグ


ココットマルシェで食材を買い、道中で会った妖精ファルシーをウェイトレスとして仲間に引き入れた。
その手法は強引そのもので、可愛いカフェで働きたいというファルシーの言葉も聞かず、「大丈夫」の一言で納得させたのだった。

「さて、お店を開く準備は整ったわ!さっさと帰りましょ!」

得意げなココットに同行者のアングレーは呆れ声で言った。

「チョイ待てよ、ココット。食材はあってもお前、どんなメニューを出すんだよ」
「問題はそれよね……。味は覚えてるから、後は作り方……」
「お前さ……。なんでそんなにノリだけでやるんだよ!絶対に失敗するぞ!止めといた方がいいって!」

アングレーの説得にココットは首を横に振った。

「ねえ、アングレー……。アンタも見たでしょ?迷宮に挑む冒険者たちが、閉店したクラージュを見てため息をついている姿を……。
ココットの強引な物言いにアングレーは大きくため息をついた。

「だからってマズイ飯出したら希望がなくなるだろ……」
「大丈夫!私とファルシー、そこそこ可愛いし。ご飯おいしくなくても少しの間なら愛嬌でやり過ごせるわ。その間に料理の腕を磨く!」
「自分で可愛いとか言っちゃうんだ……お前……!」

アングレーと同様、ファルシーも呆れ声で「失敗したかも……」と呟く。
仲間たちの心配をよそにココットは軽い足取りでクラージュへと向かう。


しかし、不穏な人影が近づいていることを彼女はまだ知らずにいたのだった――。

ビストロ・クラージュ -アミューズ-完

忍び寄る
不穏な人影とは――?

133-ビストロ・クラージュ -オードブル-

□9/25 15:00 - 9/28 22:5□

開始前

開店準備をする少女。
近づく不穏な人影
その目的とは――!?

プロローグ


開店準備をしていると&プレイヤー名#00FF00){(プレイヤー名)}たちの背後で一陣の黒い風が吹いた。
妙な気配を感じてココットが一歩後ろに下がると、何かが眼前で煌めいた。
それは頭上から振り下ろされる一振りの剣だった。
ココットが短剣で受け止めると、持ち主の女が微笑んだ。

「私の疾風の剣を止めるとは……。閉店した店に忍び込もうとしている空き巣にしてはなかなかやるな……!」
「私が空き巣?違うっての!あんたは何者よ!」
「私はマトロート。一介の冒険者だ……」
「……迷宮の深層まで行ったって噂のマトロート?私も冒険者の時はあんたを目指して頑張ってたわ!
私、ココット……。聞いたことない?」
「私は私以外の冒険者に興味はない!」

マトロートココットを冷淡な目で見つめ、言葉を続けた。

ココットと言ったな……?クラージュで何をするつもりだ?」
「クラージュが閉店してるから、このまま店を無くさないために継ぐことにしたの」

ココットの答えにマトロートは不審そうな目を向ける。

「クラージュのオーナーはもうここにはいないはずだ。お前はオーナーの弟子だったのか?」
「違うわ……。でも、誰かがやらなきゃ!クラージュが閉店してから、冒険者たちは生きがいをなくしているもの!」

必死で話すココットマトロートは不敵に笑いながら尋ねた。

「クラージュのドラグーンソテーは至高の料理だった。デザートブルのカツレツもな。思い出しただけでも生唾が出る……。問おう……お前はそれを作れるのか?」
「さすがにそれは無理だけど……。野菜を炒めるくらいなら。あと、お酒もあるわ!」
「……なるほど。オーナーが消えた今、クラージュの名と立地ならばひどい料理でも客が来ると思って乗っ取ったわけか……。お前はクラージュが作り上げてきたものを冒涜するつもりだな?」
「冒涜って……。そんなつもりはないってば!」
「言い訳はいい……。ならば料理を出してみろ!」

ココットは覚悟を決め、思いつく限りの料理を出すことにした。

料理を出す


まさか有名冒険者が来るなんてね!
料理を出して納得してもらわなくちゃね!

料理を出す

エピローグ


ココットは熱意を込めて料理を作り上げたが、その味にマトロートは激怒した。
しかし、(プレイヤー名)のフォローもあって料理に対する熱意だけは本物とわかったようだ。

ココット……。お前の言うように冒険者たちにとってクラージュはなくてはならぬ店だ。ただし、どんな店でもいいということではない」
「それはわかってるつもりよ……。でも大丈夫、あんたが次に来る時にはもう少しマシになってるはずだから!」

ココットの根拠のない言葉に、マトロートはやれやれと首を横に振りながら尋ねた。

「……それで、今日は店を開くのか?」
「そのつもりだけど……」

マトロートは静かにため息をつくと、ココットの包丁を取り上げて食材を調理し始めた。

「見てろ……。私でも作れる簡単な酒のツマミだ」
「わあ、マトロート……。優しい!」
「バカ!お前のためじゃない、店のためだ!お前にできるか?」

ココットマトロートの調理法をササッと確認すると、同じように食材を刻み、全く同じように調理を始めた。

「驚いたな……。お前、意外に飲み込みが早いな……」
「そんなの見れば簡単じゃない……。戦いと同じでしょ。一度敵を見たら技は盗めるもの」
「もしかしたら、いい師匠がいればそれなりになるかもしれん。だが、今日のところはお前が作っていいのはこのツマミだけだ!」

マトロートココットに厳しく命じると迷宮の方角へと去って行った。
ココットは早速マトロートから習った一品を作り始めた。
アングレーは熱心に野菜を刻むココットに声をかける。

「嬉しそうだな、ココット!」
マトロートのおかげよ。ひとまず、今日はこれでしのげるはず!」

そろそろ夕暮れ時。迷宮から戻ってきた冒険者たちがお腹を空かせてくるはずだ。
ココットは腕まくりをし、少しでも美味しくなるように料理の準備を始めるのだった。

ビストロ・クラージュ -オードブル-完

ココットの店に
意外な客が訪れる――!?

134-ビストロ・クラージュ -メインディッシュ-

□9/29 15:00 - 10/19 22:5□

開始前

開店した店に迫る危機!
少女は店を守れるのか?

プロローグ


ココットマトロートに教えてもらった料理でその日を凌ぐことができた。
しかし、いつまでもツマミだけというわけにもいかない――。
考えていると店の扉を叩く音がした。
客が忘れ物を取りに来たのかと扉を開けると、外に立っていたのは魔族の女と龍だった。

「何よ、あんたたち……。ただの客ってわけじゃなさそうね」

険しい目でココットが睨むと女が不敵に微笑みながら言った。

「この前、マルシェで食材を買うからお金を貸してってウチのお店に来たでしょ~。忘れんぼさん!」
「確かに借りたけど、ちゃんと返したはずよ?」
「ええ。でもあれは利息分だけでしょ?ウチの金利はもちろん知ってるわよね~?」

女は懐から書面を取り出してココットに見せ、ほほ笑んだ。

「ほら、ここに書いてあるわ。あなたもサインしたじゃない?」

見れば、虫眼鏡で見なければわからないような小さい文字で、驚くべき高金利が記されている。

「数日で借りたお金の数倍を返さないといけないってこと?違法もいいところじゃない!」

ココットが答えると龍が凄みを利かせながらココットに言った。

「約束ハ約束ダ。我ラハ金ヲ貸シタノダ……。払ッテモラウゾ!」
「払わないわよ、こんなの!」
「そういう頑固な人、好き~。そういう人の心を折るのは大好き~。ガランティン……。ちょっと"私たちのやり方"で考えを改めてもらいましょうよ~」

ガランティンと呼ばれた龍は女の声に大きくいなないた。

「クラージュを壊そうっていうなら、こっちも存分に力を振るわせてもらうから!」

ココットは調理具を握りしめて叫ぶのだった。

支払いを拒否する!


強い敵を倒せば、より多くの【クラージュメダル】が貰えるの!
敵の情報は、他のプレイヤー達が「イベント掲示板」に書き込んでくれるからちゃんと見てれば大丈夫!

クエストね……。元冒険者の私には懐かしい響きね。
色々考えても仕方ないわ、行動あるのみね!

全力でいく

刀技洞察バトル


(プレイヤー名)たちの力を借りてラグーたちを打ち破り、ココットは法外な金利を払わずに済んだ。
店でホッとしながら明日の仕込みをしていると扉を叩く音がする。

「私はシフォナード、料理人だ!ここに凄腕の料理人がいると聞いた!お前だな、勝負しろ!」
「いいわ!望むところよ!」

すると背後からアングレーが囁いた。

「チョイ待て!この人は神包丁のシフォナード……。石さえも薄切りにできる料理人だぜ……?お前、オツマミしか作れないじゃないか!」
「大丈夫、私に考えがあるのよ……。一流の料理人から技を盗むの!戦えばだいたいわかるじゃない?」

ココットたちがひそひそと話をしているとシフォナードが叫んだ。

「さあ、厨房まで案内しろ!しかし……。本当に噂の店主なのか?お前、包丁の持ち方がおかしいような」
「……大丈夫!これが私のスタイルだから!」

ココットは不敵に微笑むのだった。

料理対決をする
9月30日 15:00 ~ 10月2日 23:59の期間限定で、シフォナードが討伐対象として現れます
さらに、10月1日 0:00 ~ 10月2日 23:59はグラチネも討伐対象として登場します
期間中は、毎日一定数のクラージュメダルを獲得した方に、豪華賞品をプレゼント

30,000 はがねの剣x1
60,000 バスタードソードx2
90,000 シフォナードx1
110,000 電磁警棒x1
140,000 MAR-308ライフルx1
180,000 44マグナムx1
220,000 千斬者シフォナードx1}

ココットたちが懸命に料理を作っていると、不意に扉が開いた。

「やっと会えました!神包丁のシフォナードさん!!好敵手を探して料理勝負をしているって聞いて、追いかけてきたんです!」

振り返ると魔女が立っていた。
シフォナードは怪訝な顔をして魔女を見つめる。

グラチネか……。噂には聞いてるぞ。色んな料理人のレシピを魔法で解析している美食家だそうだな?」

するとグラチネはもじもじしながら言った。

「別に、悪気はなくて……。私は美味しい料理に目がないだけで」

その時、ココットシフォナードに言った。

「せっかくだわ。この人に審査員をさせましょう!」
「な、なんだと? お前、こいつが何者がわかっているのか?……たいした自信家だ。いいだろう!」

ココットは心を鎮め、再び料理に取り掛かるのだった。

料理を提供する

龍卵確保バトル


シフォナードの料理を食べてグラチネは目を細める。
その後、ココットの料理を食べて痺れたように動かなくなった。

「これは、ひどすぎます!!勝負はもちろん、シフォナードさんの圧勝です!」

ココットの作った料理を食べてシフォナードも絶句する。

「こんな腕でよく私に勝負を挑めたものだな……」
「勝負には負けたけど……。おかげであなたの包丁技を盗むことができたわ!」

ココットは微笑むと、シフォナードのように包丁を舞うように動かし、同じ料理を作って見せる。

「たいしたものだ。ここまで大胆に素早く盗まれたら怒る気も失せる」
「ごめんなさい……。店の料理もおツマミしか作れなくて、せっぱつまってたの」

シフォナードは楽しそうに微笑むと、ココットに言った。

ココット。私の真似はいいが、ここでしか食べられない名物料理も考えてみろ!」
「なるほど……。名物料理!確かに必要ね!」

ココットマルシェに行ったときに巨大な卵を売っていた少女を思い出した。

――あんな卵、見たことないし、あれを使ったら面白い料理ができるかも。

翌日少女に会いに行き、巨大な卵を売ってもらえるか相談してみた。
少女は申し訳なさそうな表情で答えた。

「これ、龍の卵だよ。結構高価だけど大丈夫?」

少女が提示した値段はかなり高額だった。
がっくりするココットに少女は言った。

「一緒に卵を採りに行くのを手伝ってくれるならもっと安くしてもいいよ。かなり危険だけどね」
「安くなるの? なら行くわ!」
「龍卵の採取方法は特殊よ。あなたに今から採取の方法を叩きこむから覚えてね!」

少女の提案にココットは大きく頷いて言った。

採取法を会得する
10月3日 0:00 ~ 10月4日 23:59の約2日間限定で、ベネディクトが討伐対象として現れる龍卵確保バトルを開催します
【交換で豪華アイテムGET】
戦闘中に、ベネディクトから時々、神秘の龍卵を得ることがあります

【神秘の龍卵25個と交換】
12461 ベネディクト
【神秘の龍卵100個と交換】
12462 卵捜者ベネディクト

・交換リスト
究極なるバッカスの酒x1
必要神秘の龍卵数:350個

究極なるヘラクレスの力x1
必要神秘の龍卵数:350個

究極なるアテナの守りx1
必要神秘の龍卵数:350個

伝説なるバッカスの酒x1
必要神秘の龍卵数:140個

伝説なるヘラクレスの力x1
必要神秘の龍卵数:140個

伝説なるアテナの守りx1
必要神秘の龍卵数:140個

卵捜者ベネディクト
必要神秘の龍卵数:100個

極上なるバッカスの酒x1
必要神秘の龍卵数:70個

極上なるヘラクレスの力x1
必要神秘の龍卵数:70個

極上なるアテナの守りx1
必要神秘の龍卵数:70個

アレスの叙事詩5行x1
必要神秘の龍卵数:30個

ベネディクト
必要神秘の龍卵数:25個

教会のロウソク[料理]x1
必要神秘の龍卵数:20個

銀のリンゴ[料理]x1
必要神秘の龍卵数:10個

アレスの叙事詩1行x1
必要神秘の龍卵数:5個

名物創作バトル


採取法を会得し、(プレイヤー名)たちはベネディクトと一緒に龍の卵を見つけた。
巣へ辿り着く最短ルートも開拓したので、なくなったらまた採りにくることも可能だ。

「龍卵は美味しいけど、温度に敏感だから調理技術がいるのよ。頑張ってね」」

ベネディクトに励まされ、ココットは早速、龍卵を調理してみる。
包丁技術はシフォナードの技を見て会得したが、味付けや調理技法はまだまだ未熟だ。

アングレーも初めは料理の感想をココットに伝えたが、濃厚な味の龍卵料理をいくつも食べることはできずに悶えていた。

「……もう、ダメ……。食えないよ、ココット……」
「だらしないわねえ。まだまだ試したい料理があるっていうのに……。」

へたばっているアングレーを見てココットが呆れていると、店の扉が開いた。
片手に肉の塊を持った女がふらりと入ってくる。

「ごめんなさい。まだ開店準備中なの……」

ココットが笑顔で返そうとするが、女は店内に漂う匂いを嗅いで興奮気味に言った。

「いい香りが漂ってきたからフラフラと来ちゃったんだ!これって龍卵料理だろ?すごいね!こんなレア食材がこんな小さなお店で食べられるなんて!いいねえ!美味そうだねえ!」

女は物欲しげな表情で龍卵料理の皿とココットを交互にチラチラと見つめる。

「いや、でも、それは試作品の皿だし……」

弁解しようとするココットアングレーが囁いた。

「あの人に試食してもらうってのはどう?……俺、もう食べられないしさ」
「ええっ?……まあ、でもアングレーが役に立たない以上仕方ないわね……」

ココットコートレットに提案してみることにした。

「実は龍卵料理の新メニューを考えているの。お代はいらないから料理の試食をして意見を言ってくれる人を探してるんだけど、どうかな?」
「それならアタシに任せてもらいたいね!アタシはフードファイターのコートレット。ガンガン食べるし、味を見るのも大得意!さあ、ドンドン持ってきて!」

ポンと胸を張るコートレットを見て、ココットは大きく頷くのだった。

龍卵料理を作る
10/5 15:00 ~ 10/8 23:59の限定で、コートレットが討伐対象として登場する名物創作バトルを開催いたします

名物創作バトルは、開催期間内に全ての協力バトルで与えたダメージを競うデイリーラキングです
ランキング上位に入ると食愛者コートレットや限界突破アイテムをGETできます

さらに10/5~10/8の期間中に与えた総ダメージ数を競う総合ランキングも開催
上位にランクインした方にはコートレット・ジェファンをプレゼント

開催期間
日 期間
10/5 15:00 ~ 23:59
10/6 ~ 10/8 各0:00 ~ 23:59

強敵料理大会


コートレットに試食をしてもらい、ココットは店で出す龍卵料理を決定した。
珍しい物が食べられるということでクラージュの客も増えていったが、ココットは難色を示していた。

「どうしたんだ?店も軌道に乗り出したってのに……」
「料理のレシピが足りないわね……。いろんな国から来る冒険者たちを満足させたいのよ。でも、習いに行くっていうのも私のガラじゃないしね……」

その時、ファルシーがチラシを持って店に入ってきた。

ココットさーん、街で料理大会が開催されるみたいです!見に行きませんか?」
「……料理大会?それ、いいわね。見に行くんじゃなくてせっかくだし、参加するわよ!」

ポンと手を打つココットアングレーが呆れた口調で言った。

「なあ、ココット……。さっきまでレシピが足りないって言ってたじゃないか。勝てないぞ?」
「勝てなくていいの。大会に出れば色んな料理人がいるでしょ?色んな技を盗めるいい機会じゃない!」
「チャッカリしてるな……」

大会の会場に着くと、(プレイヤー名)は観客席で見ていると告げて別の入り口に行ってしまった。
ココットがエントリー会場へ向かおうとすると、二人の魔女たちが話していた。

ボンゴーレ!アンタのレシピのおかげで闇瓜王パンプティンと契約できたわ!」
「それはそれは良かったネ。ゼクスだけでも契約できる魔法使いはレアだっていうのにたいしたものヨ!それじゃベロニカちゃん!今日はコッチを手伝ってネ!」
「任せなさい!このアタシが力を貸すんだもの、必ず優勝するわよ!」

ベロニカが頷いた瞬間、司会が大声で大会の開催を知らせる。

「それではただいまより、料理大会を開催いたします!」


会場の料理人たちを見渡してアングレーが呟いた。

「おい、ココット。すげえ有名な料理人たちばかりじゃないか……」

そう言ってアングレーは順番に3人の料理人を指差す。

「中でも、パスタの名店のオーナーシェフ、ボンゴーレ。薬膳料理"カムニョン"のムルナ。負けた料理人の魂を奪うって噂がある放浪料理人キーマ。この3人は別格だぜ!」

ココットが目をやると、ボンゴーレは小麦粉に光る粉を振りかけながら呟いた。

「さあ、七色のパスタで審査員を喜ばせちゃうのヨ!」

ムルナは台所で用意した薬草に語りかけていた。

「さあ、薬草たちよ。身も心も温める料理を作るわ。あなたたちの薬効成分……。限界まで引き出すわ!」

キーマは会場を見回しながら叫んだ。

「クハハハ!優勝して料理人共の魂を残らず奪ってやる!」

その様子をしばらく観察してココットは頷いた。

「なかなかの強敵揃いね。でも大丈夫よ、アングレー。せっかくだから技を盗んで勝って見せるわ!」

ココットは闘志をみなぎらせて調理台に向かうのだった。

最善を尽くす
10/9 12:00 ~ 10/13 23:59の間、強敵料理大会を行います

期間中に出現する大会参加者達と戦闘し、見事打ち勝つとクラージュメダルを獲得できます
各大会参加者との戦闘で11万枚のクラージュメダルを得ると、それぞれの大会参加者をプレゼント

【大会参加者達】
12467 ボンゴーレ
12468 ムルナ
12469 キーマ

また、祝祭の南瓜フェア開催を記念して、強敵料理大会期間中踊誘魔女ベロニカが討伐対象として登場します!!

※一例としてボンゴーレを対象に記載※

<強敵料理大会ランキング>
ランキング プレゼント内容
1~200位
ボンゴーレ・アルテ
麺魔女ボンゴーレ
究極なる三賢者の祈り

201~1000位
麺魔女ボンゴーレ


<強敵料理大会デイリーランキング>
ランキング プレゼント内容
1~50位
麺魔女ボンゴーレ
究極なるアテナの守りx5
不思議なネックレス[1]×1
運命のチケット×10

51~100位
麺魔女ボンゴーレ
究極なるアテナの守りx3
不思議なネックレス[1]×1
運命のチケット×10

101~200位
麺魔女ボンゴーレ
究極なるアテナの守りx2
運命のチケット×7

201~300位
究極なるアテナの守りx1
運命のチケット×5

301~500位 運命のチケット×3

501~700位 運命のチケット×1

混沌訪客バトル


ココットは優勝を目指して思う限りの料理を作ったが、勝利したのはボンゴーレだった。
キーマは野望かなわず放浪の旅に戻り、ムルナは素直に拍手で認めた。
ココットは入賞はしなかったが、審査員特別賞をもらうことができた。

「たいしたもんだな、ココット!あれだけ料理が苦手だったのにここまで結果を残せるなんて驚いたよ!」

大会が終わり、努力をねぎらうアングレーの言葉にココットは微笑む。

「ありがとう。優勝できなかったのは残念だけど、参加したおかげで色々な技術を学ぶことができたわ!」

大会に参加して料理の幅が広がったココットは、様々なレシピで客を喜ばせることができるようになり、店には多くの冒険者が訪れるようになった。
ある日の閉店後、ココットが店の片づけをしていると、突然店の扉が開き、剣士風の魔族の女と魔法使い風の男が入ってきた。
ココットは驚きながら二人を見つめて言った。

スティルトンアグリュム?迷宮に住むあんた達がどうしてここに!?」
「かつての宿敵が、何を血迷ったか料理なんぞにうつつを抜かしていると聞いてな。その腑抜けた性根を叩き直しに来たのだ!」
「ああそう。でも、私、冒険者は止めたから。戦うなら別の人を探してよ。これから明日の仕込みをしなくちゃいけなくて忙しいの」

ココットがあっさり返答すると、突然店に魔狼の少女が入ってきた。

「すっごいすっごいお腹がすいたの!ねえ、なんか作って!」
「ごめんね。今日はもう店を閉めちゃったのよ……。また明日来てくれる?」

スティルトンは怒りでぶるぶる震えると、ココットに剣を向ける。

「明日の仕込みだと?……こんな店、壊してやる!貴様は冒険者に戻るのだ!」
「ねえ、そんなこといいからお腹がすいたよぉ。ご飯作ってよぉ」
「貴様は黙れ!ココットは私達と戦うのだ!」
「そんなの後でいいよ!ご飯作ってよぉ!」
ココット……僕の闇の力を……」
「ねえ、ご飯っ!」

「ああもう、店の中で騒がないで!全員外に出なさい!!」

ココットはため息をつくとスティルトンたちを睨んで叫ぶのだった。

騒ぎを治める
10/14 12:00~10/19 22:59の間、元宿敵達との混沌訪客バトルを開催致します!!
期間中は、探索完了後一定の確率でスティルトンアグリュムのどちらかと遭遇する事があります

元宿敵に遭遇すると、1対1で戦うソロバトルが発生します
混沌訪客バトルに勝利すると、しおりが輝く事があります
その時は、しおりを持っていれば撃退した元宿敵を封印する事が出来ます
より強い元宿敵ほどしおりの輝く確率は高くなります

また、満腹魔狼キャンペーン開催を記念して10/14 12:00~10/15 11:59の間クロケットが討伐対象として登場します

舌唸美食バトル


ココットは元冒険者としての腕でスティルトンたちを成敗した。
その後、クロケットには料理をふるまってやることにした。
ただ、お代を持っていなかったクロケットは店で働くことになった。
それからしばらくして、クラージュは冒険者だけでなく食通の間でも評判になっていった。
ある日の夕暮れ、アングレーが店の客を見てココットたちに耳打ちをする。

「おいおい、あそこに座っているのって魔族のソムリエ、マルゴーじゃないか?酒と合わせる料理にはやたらうるさいって話だぜ……。ん?」

アングレーがもう一人の客を見て青ざめた。

「うわあ、ピタスチオまで来てるのかよ……。食通雑誌の記者だ。あいつの評価によって潰される店も数多い……。今日は気が抜けないな!ファルシーもしっかり頼むぜ!」
「ええええっ!そ、そんなスゴイ人もいるんですか!?マルゴーさんだけでも気をつけなくちゃいけないのに……」

ファルシーはガチガチに緊張して配膳をしたせいで、マルゴーに出す前菜をひっくり返してしまった。

「あわわわわ。ごめんなさい!大変なことをしちゃったかも……!」
「ワインとマリアージュすべき料理を床に落とすとは、どういうことですか!」

そんな騒ぎが起きている合間に、お腹を空かせたクロケットピタスチオに出す料理を食べてしまった。
注文した料理が来ないことでピタスチオの顔色が変わる。

「遅い……。なぜこんなにも料理が遅いんだ!★をつける価値もない!」

怒る二人の客を見てココットは叫んだ。

「ごめんなさい……!もう一度だけチャンスをちょうだい!ご機嫌になるほど美味しい料理を創るから!!」

食通たちを唸らせる
10/15 12:00 ~ 10/18 23:59の約4日間限定で階級別タイムリーランキングを開始致します

期間中はピタスチオマルゴーが討伐対象として登場します!!
階級別タイムリーランキングでは、1時間で与えた総ダメージ数を階級別で競います

開催時刻
  • 10月15日
12時
15時,17時,19時
21時,23時
  • 10月16日~10月18日
8時,10時,12時
15時,17時,19時
21時,23時

階級一覧
ランキング 階級
1~100位 女神のフライパン級
101~1000位 龍鱗フライパン級
1001~2000位 高級フライパン級
2001~3000位 新品フライパン級
3001~5000位 中古のフライパン級
5001位以降 錆びたフライパン級

--階級と貰える賞品
  • 女神のフライパン級
1~25位
酒極魔マルゴー
シャトー・ヘルホール×6
冒険玉[料理]×30

26~80位
マルゴー
シャトー・ヘルホール×6
冒険玉[料理]×30

  • 龍鱗フライパン級
1~30位
マルゴー
シャトー・ヘルホール×5
冒険玉[料理]×15

31~100位
ピタスチオ
シャトー・ヘルホール×5
冒険玉[料理]×15

  • 高級フライパン級
1~2位
マルゴー
シャトー・ヘルホール×4
冒険玉[料理]×12

3~40位
ピタスチオ
シャトー・ヘルホール×4
冒険玉[料理]×12

41~80位
シャトー・ヘルホール×4
冒険玉[料理]×12

  • 新品フライパン級
1~15位
ピタスチオ
シャトー・ヘルホール×3
冒険玉[料理]×7

16~70位
シャトー・ヘルホール×3
冒険玉[料理]×7

  • 中古のフライパン級
1~10位
ピタスチオ
シャトー・ヘルホール×2
冒険玉[料理]×5

11~70位
シャトー・ヘルホール×2
冒険玉[料理]×5

  • 錆びたフライパン級
1~3位
ピタスチオ
シャトー・ヘルホール×1
冒険玉[料理]×3

4~70位
シャトー・ヘルホール×1
冒険玉[料理]×3


シャトー・ヘルホール
一口飲めば闇の魅力にとりつかれるという魔酒。使用すると戦闘中の協力バトル討伐対象の強さ(★)を+1にすることができる。

全力料理バトル


(プレイヤー名)たちの協力もあり、ココットの心を込めた料理でマルゴーピタスチオの舌を満足させることができた。

有名な食通にも認められたクラージュは、この地域で誰もが知る店となった。 ココットがいつものように店の準備をしていると、クラージュの扉を開く者がいた。

「随分、流行ってるみたいじゃねえか」

声のする方向を見てココットは驚いた。

「わああ!ブレゼーさん!戻ってきたーー!」
「戻ってきたー、じゃねえよ!俺が閉めたはずのクラージュが、気づけば名店になってるってのはどういうことだ?」

ココットが理由を話すとブレゼーはため息をつき、肩をすくめた。

「……冒険者たちの希望がなくなったから仕方なく?……舐めてくれるぜ」
「ごめんなさい……。でも、オーナーが戻ってきたなら私の役割は終わったわ。お店は当然、お返しするわ!」
「待てよ……。お前は俺が育てた店を勝手に引き継ぎ、頼んでもいないのに流行らせたんだ。……覚悟はできているんだろうな」
「……覚悟……?」

ココットがごくりと息をのむとブレゼーは言った。

「冒険者たちが喜んでくれるような飯屋をやりたくて、このクラージュを創ったんだ。半端な腕前で俺の代わりをしようっていうなら、俺の想いを踏みにじったってことになる!お前のとっておきを俺に見せてみろ!同じ料理を俺も作ってやる!!」
「わかったわ……!」

料理の腕を見せる
イベント最終日限定でブレゼーが現れ、最後の戦いが行われます!!
10月19日0時からイベント終了までの間に25万枚のクラージュメダルを獲得した方にはブレゼーをプレゼント致します

0時、8時、12時、15時、19時、21時、22時台に各1回ずつ、料理闘者ブレゼーが討伐対象として出現します

ランキング プレゼント内容
1~50位 料理闘者ブレゼー
51~100位 運命のチケット×10枚
101~300位 運命のチケット×3枚
301~500位 運命のチケット×1枚

エピローグ


(プレイヤー名)の力を借りて、ココットは渾身の料理を創ることができた。
料理を食べたブレゼーは目をつぶり、頷いた。

「お前も食べてみろ、俺の味付けとお前の味付けの違いを……」

ココットは言われた通り、二つの料理を交互に口に含んだ。

「凄いわ……。やっぱり、ブレゼーさんの方が味が繊細な気がする」
「そうだ。だが、お前の料理は疲れている冒険者向きに味を濃く創っている……。この店で出す料理ならお前の味付けの方が正しい!」

ブレゼーはようやく笑顔になり、ココットと握手をした。

「よーし、これなら俺も安心してお前にこの店を任せられるぜ!」
「ちょっと、ブレゼーさん……。どういうこと?この店はブレゼーさんのお店でしょ?」
「いや、俺はお前ら冒険者の話を聞いているうちに迷宮に潜りたくなっちまってな……。店を閉めたのはそういうわけなんだ。冒険の最中にクラージュの噂を聞いたんでちょっと戻ってきたわけだが……」
「え……。ブレゼーさんが冒険者に!?」
「冒険者が料理人になるように、料理人が冒険者になったっていいじゃねえか!お互い好きに生きようぜ、ココット!それじゃ、クラージュは任せた!俺が帰ってきたら特別な飯を頼むぜ!」

ブレゼーはそう言うと元気よく出て行った。
ココットは肩をすくめると(プレイヤー名)を見つめて呟いた。

(プレイヤー名)、あなたのおかげでブレゼーさんにも料理を認めてもらえたわ……でも、やっぱり凄いわね、ブレゼーさんは。私の実力なんてまだまだ……」

ココットは不意に目を伏せる。
それから何かを決意したように再び(プレイヤー名)を見つめる。

「でも、まだまだだからこそ、やりがいがあるのよね!ねえ、(プレイヤー名)、あなたがこの世界に戻ってきたときは今よりももっと美味しいものが創れるようになってるから、楽しみにしててね!」

(プレイヤー名)は希望に満ちた新しいオーナーシェフの姿を見て、大きく頷くのだった。

ビストロ・クラージュ -メインディッシュ-完
story by 佐島但馬


アイテム一覧


クラージュメダル

勇猛のゴーグル
迷宮の宝箱に入っていた魔法のゴーグル。持ち主の気力を充実させ、一定時間数倍の距離を仕入れできる
壮健ナスブーツ
ナス神の加護を受けたナスのブーツ。履けばナスエネルギーを受けて体が紫色に輝き、一気に購買距離を得ることが出来る
輝栄のティーカップ
市場競売バトル・訪客幻影バトルで勝利すると得ることができる、茶杯奪取バトルでの交換アイテム
食誘の皿の破片
不思議な皿の欠片。指で触るとお腹が少しだけすくような気がする。欠片を全て揃えれば不思議な力を発揮するだろう。
食誘の皿
料理を載せるだけで客の食欲を増幅させる不思議な皿。洗えば洗うほど輝きを増すという特性があり、掲げれば皿洗い好きの魔獣が寄ってくるはずだ。
神秘の龍卵
戦闘中に、ベネディクトから時々得ることがある、交換系アイテム
シャトー・ヘルホール
一口飲めば闇の魅力にとりつかれるという魔酒。使用すると戦闘中の協力バトル討伐対象の強さ(★)を+1にすることができる。

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