星巡のファントム_プロローグ

 
最終更新日時:
story by 佐島但馬


129-星巡のファントム ~出逢い~

8月21日 15:00 - 8月24日 22:59

開始前

夜空を走る列車。
車掌である青年の

奇妙な旅が始まる――。

プロローグ


(プレイヤー名)が眼を開けると細長い部屋に立っていた。
左右の椅子の配置を見る限り、どうやらここは列車の車両のようだ。

車窓から見える漆黒の空には無数の星が瞬いているが、地面らしきものはどこにもない。
ここは一体何処だろう――?
(プレイヤー名)が新しい世界に来たばかりで戸惑っていると、背後から声がした。

「お客様、少々お尋ねしてもよろしいでしょうか?」
振り向くと爽やかな青年が立っていた。

「失礼ですが、絵本を持った女の子を見ませんでしたか……?ネルラという子なのですが……」

(プレイヤー名)は首を横に振ると、青年は腕を組んで呟いた。

「そうですか……。どこに行ってしまったのだろう……」

残念がる青年に(プレイヤー名)は列車は一体どこへ向かっているのかを尋ねた。

「実は私、記憶がほとんどないんです。星巡鉄道という鉄道会社の車掌であること、ジェバンスという自分の名前だけはわかっているんですが、この列車がどこに向かっているのかはわからないのです……。」

――行先がわからないのに車掌!?

困惑する(プレイヤー名)の表情を見てジェバンスも沈鬱な表情をして呟いた。

「やはり変ですよね……。ただ、そのネルラという子が、私を見て話しかけてくれたんです。私のことを前から知っているみたいでした……。

でも、私が戸惑っていたらどこかに行ってしまって……。もう一度あの子と話せば記憶が戻るかも、と思って探しているんです」
ジェバンスは大きくため息をついて言葉を続けた。

「あの……、もしよければネルラを探すのを手伝っていただけませんか?」

(プレイヤー名)は静かに頷くと、ジェバンスと共に車両を進むのだった。

女の子を探す


それじゃ行きましょうか。
かなり車両の数が多いので疲れないようにしてくださいね。

とりあえず500m位進んでみましょう!

そうそう。これは女の子が持っていたものです。
申し訳ないですが、預かって貰ってもいいですか?


絵本「パクパクポムポム」を1個手に入れました

それでは行きましょう!

少女を探す

エピローグ


ジェバンス(プレイヤー名)がようやくネルラに追いつくと、ネルラはジロリとジェバンスの方を見た。

「思いだしたの? ネルラのこと……。」
「ごめんなさい。本当に記憶がないんです。だから逆に私のことを知っている君に教えて欲しいんです。私と君のことを……。
実は、この列車の車掌をいつからやっているのかも覚えていなくて……」

ネルラはぼうっとジェバンスを見ると首を振った。

ジェバンスに会った時……。そんな服、着てなかった」
「着てない?……車掌じゃ、なかった……?」
「お母さんとおかいものに来たとき、かべがくずれて……。その時、ジェバンスがいろいろおはなししてくれたの。ねえ、お母さんはどこにいるの?会わせて!」
「お母さん……?」

ジェバンスが黙っていると、ネルラの持つ絵本から体の長い怪物がニュウと現れて少女を慰める。

「ポムポム……。お母さんに会いたいよ!」

ネルラの言葉に、不思議な怪物はプウウウと鳴いてくるくると少女の周りを旋回した。
ジェバンスは驚きながらも穏やかな顔で注意する。

「ねえ、ネルラ。他のお客様の迷惑になるから、車内で生き物を放し飼いにするのは駄目なんですよ。ポムポムはしまっておきましょうか」
「……やだ。ポムポムはだいじな友達だもん」
「うーん……。参りましたね……」

ジェバンスが困惑した瞬間、背後で叫ぶ声が聞こえた。
何かトラブルが起きたようだ。
仕方なく、ジェバンスネルラを連れて声のする方へと向かったのだった。

星巡のファントム ~出逢い~完

暴れる乗客の
誤解は解けるのか?

130-星巡のファントム ~記憶~

8/25 15:00 - 8/27 22:59

開始前

勃発した騒動!
鎮めようとした青年は
ある秘密を知る――。

オープニング


(プレイヤー名)ジェバンスたちが駆けつけると、王冠を持った少女が騒いでいた。

「早く私を降ろして!早くしなさい!」

他の乗客たちも困惑した表情で少女を見つめている。
早速、ジェバンスが近づいて尋ねる。

「お客様、どうなされたのですか?」
「あなたが責任者なの?早く私を元の場所に帰して!」
「元とはどこでしょう?」
「それが……わからないの!気づいたらこの妙な列車に乗っていたの。どこから乗ってきたのかも、自分が何者なのかもわからない……!怖いのよ!早く、早く降ろしてよ!」

――私と同じように記憶がないのか……。

同じように記憶がないことを伝えたところで彼女が安心するわけもない。余計に不安をあおるだけだ。
ジェバンスは大きく息を吐き、尋ねた。

「その王冠は何でしょう?もしかしたら自分のことがわかるヒントかもしれません。よろしければ見せていただけませんか?」
「嫌よ……。私がわかっていることは、この手に持っている王冠だけは渡してはいけないってことだけ!」

それから少女は、ふと思いついたように(プレイヤー名)たちを見つめて言葉を続ける。

「……わかった。あなたたちは私を陥れてこの王冠を手にしようっていう気なのね?絶対渡さないんだから!」

「お客様、それは違います……!落ち着いてください」

ジェバンスは興奮する少女を説得しようと足を踏み出すのだった。

誤解を解く

お客様がお怒りになるには理由があるはずです!
しっかり向き合い、話を聞きましょう!

誤解を解く

エピローグ


ジェバンス(プレイヤー名)の力を借り、少女の誤解を解くことができた。
少女は王冠を見つめると、不意に涙ぐむ。

「あの……。大丈夫ですか?」

ジェバンスの言葉に少女は小さく頷くと語り始めた。

「そうだ……。私、お城にいたんだわ……。毎日宝物に囲まれながら美味しいものばかり食べていたの……。だけど、突然、たくさんの人が武器を持って私の部屋に入ってきて私を取り囲んだの。私はそれで――刺されたのよ……」

衝撃的な告白にジェバンスは呆然と少女を見つめる。

「刺された……?」
「……父上も私も国民の幸せなんて考えもしなかった。毎日、私たち王族だけが贅沢をして暮らせればいいと思ってたの……。贅沢な生活を失うことが怖かったのよ……。でも、もうできないのね」

少女の言葉に、ジェバンスは震える声で呟いた。

「もうできないって……。それじゃあ、あなたは……」
「そうね……。多分……」

多分の後に続く言葉はジェバンスにも想像できた。
そしてアンターレは言葉を続ける。

「もしかしたら他の乗客もそうなんじゃないかしら?」

不意にジェバンスの動悸が早くなる。
では、自分も――?
傍らにいるネルラジェバンスの手をそっと握り、心配そうな表情を見せる。

ジェバンス、どうしたの……?」
「な、なんでもないですよ、ネルラ……」

ジェバンスは穏やかに微笑んで誤魔化したが、頭の中に霧がかかったような気持ちになるのだった。

星巡のファントム ~記憶~完

青年は車掌の務めを
果たすことができるのか?

131-星巡のファントム ~願い~

8/28 15:00 - 9/16 22:59

開始前

不思議な乗客たちを乗せ
青年は列車を走らせる

その行く先に待つものとは?

プロローグ


ジェバンスアンターレの言葉について想い巡らせていると、ネルラが袖を引っ張って言った。

「ねえ、ジェバンス。な~に、あれ?」

ネルラが指差す列車の窓を見つめると、暗闇がゆっくりとうごめく。
やがて形をゆっくりと変え、剣を持った青年と鞭を持った女性の姿になった。
2人は走行する列車に並ぶように飛翔する。

「失礼ですがあなた方は何者です?そこで何をしているんですか?」

ジェバンスが警戒して尋ねると青年は妖しい微笑を浮かべて呟いた。

「君たちを仲間に加えに来た……。さあ、共に永遠に彷徨おう!そんな乗り物からは降りるんだ!」

青年は剣を振るい、斬撃を飛ばした。
飛んできた斬撃に当たり、列車の一部が煙を上げる。
呆然とするジェバンスたちの目の前で、今度は女性が鞭を振るいながら叫んだ。

「あなたたちの欲望……。私が引き受けてあげるわ。さあ、全てを委ねなさい!」

長い鞭が列車を激しく叩き、列車は嫌な音を立てて大きく振動する。

「やめてください!」

ジェバンスが叫んでも2人の攻撃は止まる様子もない。

突然の攻撃に車内はパニックになり、乗客たちが騒ぎ出した。

――お客様が危ない……。なんとかしなければ……。


ジェバンスは危機を脱する方法を必死になって考えるのだった。

乗客を守る!

さあ、行きましょう!

乗客を守る

少女守護バトル


(プレイヤー名)の協力により、エンディスたちを撃退して乗客を守ることに成功した。

ジェバンスが安堵のため息を漏らした瞬間、駅が見えた。
列車は駅に近づくとゆっくりと減速して止まった。
カンテラを持った女性が駅のホームに立っており、ジェバンスのいる車両に乗ってきた。
よく見れば足から先はなく、銀河に溶けているような不思議な姿をしている。

「ご苦労様。ご苦労様……。星巡鉄道の管理者の一人、リブロンです」
「申し遅れました。車掌のジェバンスです。実は私、記憶を失っておりまして、わからないことばかりなのです。この列車は一体……。どこに向かっているのでしょうか?」

すると、リブロンは静かに頷いた。

「大丈夫。大丈夫……。何も問題ありません。ジェバンス車掌、このまま終点まで向かってください。私は調べなくてはいけないことがありますから、車内を点検します」

ジェバンスの質問を軽く受け流し、リブロンは覗き込むように乗客たちを調べる。
そしてネルラに近づくと、じっと瞳を見つめる。

「大変です。大変です……。まだ列車に乗るべきではない者が乗っています。管理本部に連れていかなければ……。ジェバンス車掌、この子を連れていきます」

「やだよ……。助けて!ジェバンス!」

二人のやりとりを見ていたジェバンスが叫んだ。

リブロンさん、お待ちください!その子に何をするつもりですか?」
「仕事です。仕事です……。乗るべき運命ではない者を適切に処理するのが私の仕事……」
「乗るべき運命ではない――?どういうことです?」
「失敗です。失敗です。喋りすぎてしまいました。仕方ありません――」

リブロンは手に持っているカンテラの灯りを、ゆっくりとジェバンスの前で動かした。
炎を見ているうちに段々とジェバンスの意識が朦朧としてきた。

ジェバンスっ……!」

意識が途切れそうになる瞬間、ネルラの悲痛な叫び声が聞こえ、ジェバンスはハッとした。
ネルラを守らなくては――。
ジェバンスは気持ちを奮い立たせ、リブロンの方に向かって足を踏み出すのだった。

少女を守る

記憶堅守バトル


(プレイヤー名)の協力もあり、ジェバンスリブロンを退けて少女ネルラを守ることに成功した。 騒いでいる他の乗客を鎮めるため、(プレイヤー名)は別の車両に向かう。
ジェバンスネルラの手を握りながら考えていた。

ネルラがこの列車に乗るべき者ではないとはどういう意味だろう――?

その時、背後で何かの気配がした。

「問題のある車掌っていうのはあなたねー?」

振り向くと映写機を持った少女がジェバンスを見つめていた。

「……私はグスコーブリブロンと同じ星巡鉄道の管理者の一人よ……。リブロンに逆らったそうねー。全く管理者に喧嘩を売る車掌なんて初めてよ!」
「でも、理由もわからないのにネルラを引き渡すわけにはいきません」

引き下がらないジェバンスに困惑気味な表情を浮かべてグスコーブは言った。

「ここの乗客たちは記憶をもっていてはいけないの……。それにも関わらず、ネルラちゃんは鮮明なヤツを持っているでしょー?」
アンターレネルラちゃんの影響を受けて、かつての世界の記憶を思い出してしまった……。ネルラちゃんがいることは色々問題なわけ!」
「かつての世界の記憶?」
「そう……。そんなのを持っていたら後々面倒なことになるの!だから私が記憶を編集して、余計な部分をカットするってわけー」
「面倒?……記憶を編集?どういうことです?」

グスコーブジェバンスの疑問に答えずに言葉を続けた。

「……おっと。話しすぎたわねー。今話したことも編集してカットしなきゃ!」
「待ってください。人の記憶をいじるなんて横暴です!私はかつての世界で何をしていたんですか?なぜネルラは私のことを覚えているんですか?」
「もういいじゃない。何を話しても結局余計な記憶はカットしちゃうんだから……。さあ、二人とも覚悟はいいかなー?」

グスコーブはハサミを持ち、ジェバンスネルラに迫ろうとする。
その時、列車内に美しい羽が舞い、羽の中から凛とした表情の女性が現れる。

「私は世界の監視者スピカ。この列車に世界の均衡を壊す何かの予兆を感じました……。調べさせていただきます!」

スピカの出現にグスコーブは慌てた声で叫んだ。

「ちょっと待ってよ!なんで世界の監視者が……?列車内部のことは星巡鉄道の管理者に判断を委ねられているはずですけど!」
「私はあなたたちよりも上位の領域を監視しています……。最終的な決定権は私にあります!」

二人が口論しているのを見守りながらジェバンスは考えた。

――どうにかしてネルラと自分の記憶を守らなくては!

記憶を守る

乗客防衛バトル


ジェバンスは乗客たちの力を借りて、グスコーブを倒して記憶を守ることが出来た。
グスコーブは霧のように消え失せ、無数の記憶のフィルムが列車内を舞う。

そしてフィルムはジェバンスや乗客たちに吸い付くと輝きを放ちながら体に吸い込まれていく。

フィルムが体内に入った瞬間、ジェバンスはハッとした。
かつていた世界、そしてネルラと自分の関係をはっきりと思い出したのである。

そんな光景を眺めていたスピカは「なるほど」と小さく頷いた。

「あなたの下した判断により災いの未来が訪れるでしょう。……しかし、意思を通そうというのなら、自ら招いた災いを乗り越えるより他ありません」

「災い……?」
「天上から監視させてもらいます。あなたの判断と決意を――」

謎めいた言葉を言い残し、スピカは姿を消した。
それからほどなくして、列車の後方で叫び声と銃声が響いた。

ジェバンス(プレイヤー名)と合流し、音の方向へ移動する。
乗客に武器を向ける怪しげな3人組がジェバンスを見つめて冷やかに微笑んだ。

「いったいどういうつもりなのですか?」
ジェバンスの言葉に銃を持った女性が険しい声で言い放った。

「この列車を占拠したわ。ただちに元の世界に戻しなさい!私は組織に復讐しなくてはならないの!」

「そんなこと私にはできません……。私ができるのは正しく運行することだけです!」

爆弾を持った少女が切なそうに呟く。
「戻してくれないなら、この乗客の皆さんを消しちゃおうかな……」

爆弾を持った少女の傍らで白衣の男が首を横に振る。
「いや~、それなら爆弾よりも手術ですよ。私の実験の材料になってもらいましょう!」

身勝手に脅迫を行う3人組を見つめながら、ジェバンスは考えを巡らせる。
災いとはこういうことか――。

しかし、スピカの言うように、今こそ意思と判断は試されている。

乗客たちの身を守るため、ジェバンスは毅然と立ち向かうのだった。

乗客の身を守る

安全確保バトル


ジェバンス(プレイヤー名)たちの力を借りて、ソンバーナたちの企みを打ち破った。
管理者たちが自分や乗客の記憶を失わせた理由がわかった気がした。
この列車には様々な事情を抱えた人々が乗っているのだ……。

落ち着きを取り戻した乗客たちを眺めながら、ジェバンスはかつていた世界の記憶を思い出していた。

旅行先の洞窟で崩れ落ちた岩盤。
見知らぬ少女と共に閉じ込められてしまったこと。
少女を励ますために必死で色んな話をしたこと。

――そうだ。その少女こそ、ネルラだった。

自分と違い、ネルラは大きな怪我はしていなかったはずだ。
管理者のリブロンネルラのことを見て言っていた。
"列車に乗るべきではない者"と。
もし、このまま一緒に終点に行ってしまったらネルラはどうなってしまうのだろう。
ジェバンスが考えていると、突然、列車が揺れた。
尖った水晶が列車の屋根を貫く。

――い、一体何が起きているんだろう!?

ジェバンスっ!せんろに何かいるよ?」

ネルラの言葉にジェバンスがハッとして車窓を眺めると、不思議な生き物たちが線路付近を飛びながら口々に叫んでいる。

「コノセンロ、ヒンヤリトシテイル!」
「センロガピカピカ、カガヤイテイル!!」
「レッシャヲミルト、キアイガハイルゾー!」

さらに、そんな生き物たちを捕まえようと、手から水晶を飛ばしている少女の姿があった。

「そこの方、攻撃を止めてください!列車が壊れてしまいます!」
「えっ?なんのこと?私、逃げ出したゲンソたちを捕まえようとしているだけなのっ。大丈夫。迷惑はかけないから!」

少女は言い放つと水晶の弾をゲンソたちに向ける。
弾はゲンソたちをかすめて列車に突き刺さる。

「や、やめてください!」

ジェバンスは叫ぶが、ゲンソを捕まえるのに夢中になっている少女には聞こえていないようだ。
これではいつ乗客に被害が及んでもおかしくない。

――お客様を守るためにも、列車の安全を確保しなくては!

列車の安全を確保する

運命分岐ハバトル


ジェバンス(プレイヤー名)はゲンソたちを回収してオペールに渡した。
オペールは喜んで立ち去り、列車は再び線路を軽快に走り始めた。

――終点に着くまでにネルラを元の世界に戻す方法を考えなければ……。

ジェバンスが考えていると、線路の先に輝く分岐機と人影を発見する。

――分岐器?

分岐があるということは片方は別の道に通じているということだろうか?
ジェバンスは列車にブレーキをかけて列車を停止させると窓から顔をだして尋ねた。

「初めまして、車掌のジェバンスと言います……」
「そうそうそう、新人の車掌さんに挨拶しなくちゃ……。私は分岐機の管理者ブルカニー。よろしくね」
「お聞きしたいのですが、二股に別れた分岐の先は何があるのですか?」
&color(#00CCFF){「うんうんうん、通常の線路は新しい世界へと続いているんだ。もうひとつの方は元の世界へ戻るための線路だね。
でも、大抵の乗客は戻りたくても戻れない状態だからね。だから使わないね。このまままっすぐ行けばいいよ」}

ジェバンスネルラブルカニーに見せて叫んだ。

ブルカニーさん!この子は私たちとは違うんです!この列車に乗るべきではないのです!他の管理者の方もそう言っていました!」

ブルカニーネルラをじっと見ると小さく頷いた。

「うんうんうん、確かにその子は違うみたいだね。他の管理者に引き渡せば元の世界へ帰せたんだけど、あなたは引き渡さなかったの?」
「ええっ……!?」

ジェバンスは驚きのあまり言葉を失う。
ネルラを守るためにしたことだったが、まさか自分がネルラを元の世界に帰すことを阻んでいたとは……。
だが、だからといってこのまま黙っているわけにはいかなかった。

「お願いします……。分岐を変えてください。この子を元の世界に帰してあげたいんです!」
「いやいやいや、もうだいぶ列車の運行が遅れているから無理だよ。たった一人のために他の乗客を付き合わせるわけにもいかないしね……」
「列車が多少遅れたとしても、助かる命があるんです!駅でこの子を降ろしたら、ちゃんと他のお客様を連れて戻ってきますから!」

他の乗客たちも大声で叫んだ。

「帰れる子がいるなら、その子だけでも元の世界へ帰してやってくれ!」
「一人でも元の世界へ帰れるなら列車が遅れたってかまわないわ!」

乗客たちの言葉にブルカニーは肩をすくめた。

「ダメダメダメ、騒いでも無理だよ!分岐は変えられない。規則は規則だから!」
「……命より大事な規則は無いと思います!お願いします、分岐を変えてください!」

ジェバンスはこれまでにない強い眼差しでブルカニーを見据えて叫ぶのだった。

分岐を変えてもらう

星巡試練バトル


(プレイヤー名)たちの説得で分岐は切り替わり、列車は元の世界へ戻るための線路を走り始めた。

ネルラジェバンスの車掌服の裾をぎゅっと掴みながら尋ねた。

「ねえ、ジェバンス……。わたし、お母さんのところに帰れるんだよね?」
「はい、大丈夫。帰れますよ……」
ジェバンスもいっしょだよね?」

ジェバンスネルラの不安そうな瞳をじっと見つめると、穏やかにほほ笑んだ。

「私は役目があります。だから、一緒に帰ることはできません……」
「そんなのイヤだよ!」
ネルラ……。わがままを言ってはいけません」

泣いているネルラを説得しようとした時、列車が突然止まった。

――なんで止まったんだろう?

ジェバンスが困惑の表情を浮かべていると、車内が青白く輝き始める。
輝きは徐々に人の形になり、美しい女性の姿となった。

「私はイハティーブ。星巡鉄道の総責任者です。ジェバンス車掌……。他の管理者たちを随分困らせたようですね」

イハティーブさん、この子は列車に乗るべきではないのにここにいるのです……。どうか、この子だけでも元の世界に帰す許可をいただけないでしょうか?」

「いけません。たった一人のために世界の理を乱すつもりですか?列車の到着時間が遅れれば、それだけ新しい世界に大きな影響が出るのです。
列車の規則正しい運行こそが、世界の理を保つのです……。さあ、引き返さなければ、あなたを罰しますよ」

「私への罰は構いません……。ですが、どうかこの子だけは……」

イハティーブは手を広げ、妖しい光球を創り出した。

「そこまで言うのなら、あなたの覚悟を試しましょう……。耐えられなければ、あなたの存在は永遠に消えることになります」

その時、傍らにいたネルラジェバンスの服を引っ張った。

ジェバンス!あぶないことはだめだよ!」
「心配しなくても大丈夫ですよ……。ネルラ、危ないから下がっていてください」

ジェバンスは目をつぶると覚悟を決め、イハティーブの方へ足を踏み出した。

覚悟を示す

エピローグ


ジェバンスは勇気を振り絞り、イハティーブの見せた理の崩壊の幻想を最後まで見つめ続けた。
想像を絶する恐ろしさに意識を失いかけていると、後ろからふわりと抱きしめられた。
柔らかく小さな手――。ネルラの手だ。

ジェバンス……。だいじょうぶ?」

その声にジェバンスは目を開くと、そこは元の車内だった。
イハティーブは小さくため息をつくとジェバンスを見据えて呟いた。

「かつての世界では、星々と人の命の繋がりをテーマにした美しい物語を書いていましたね……。私はそれを読んで、あなたになら車掌を任せられると思ったのです。」
「ただ、優しすぎる所が心配でした……だから記憶を消したのですが、それが大きな過ちだったのですね……」

イハティーブの瞳には優しい色が浮かんでいた。

「今回は許可しましょう。起きるであろう問題は私が対処します」
「あ、ありがとうございます!」
「……確かに、あなたの言うように命を救うことは大事です。しかし、世界の理を守ることも大事なことなのです。今後は正しい運行をお願いします」

イハティーブが立ち去ると列車は音を立てて動き出した。
ジェバンスはゆっくりとネルラと手を繋ぐ。
やがて列車は光の粒で出来た駅に辿り着く。
扉が開くと星屑の粉がきらきらと車内にまで入ってきた。
ジェバンス(プレイヤー名)を見つめる。

(プレイヤー名)さん。あなたがいてくれたおかげで、ネルラをこの駅に運ぶことができました。本当に感謝しています。最後にひとつお願いがあります。ネルラを改札の向こうまで連れていっていただけませんか?」

(プレイヤー名)が頷くとジェバンスは今度はネルラの目の高さまでしゃがみ込み、穏やかな声で言った。

「さあ、ネルラ……。お母さんが待っています。駅を降りたら(プレイヤー名)さんと一緒にまっすぐ進んでくださいね」
ジェバンス……。ここでおわかれなの?」
「ええ、私には星巡鉄道の車掌としての役目がありますから。大丈夫。私はこの夜空からあなたのことを見守っていますから、これまでと何も変わりません。さあ……、降りてください」

ネルラは小さく頷き、(プレイヤー名)と共にホームに降りた。
ジェバンスは微笑むと、敬礼のポーズをした。
ネルラ(プレイヤー名)もそれを見て敬礼をする。
泣きたいような気持を抑えて一生懸命、ジェバンスネルラも笑っている。
扉が閉まり、列車がゆっくりと走り始める。

星空に吸い込まれるようにネルラたちの姿がどんどん小さくなってゆく。

ネルラ、幸せになってくださいね……。私も立派な車掌になれるように頑張りますから……!」

ジェバンスの小さな願いと決意は、星空へと溶けていったのだった。

星巡のファントム ~願い~完

story by 佐島但馬



アイテム一覧


ファントムメダル

超刻の時計
一流技師が創りだした不思議な時計。握りしめるだけで持ち主の時の流れを変え、周囲からは急に速度が上がったように見える。一定時間数倍の距離を捜索できる
天啓の六分儀
天体を愛する者に星々の加護を与えるという六分儀。掲げた瞬間に持ち主の身体が輝き、星が瞬く間に一気に捜索距離を得ることが出来る
絵本「パクパクポムポム」
車内騒乱バトル・妖星人影バトルで勝利すると得ることができます
ドルピー・スターの欠片
星イルカが産み出す結晶の欠片。手のひらに乗せると空中にふわりと浮き、ぼんやりと光る。欠片であるため光もまだまだ弱い。
ドルピー・スター
星イルカが産み出す輝く結晶。ドルピーは仲間の光が見えると集まってくる習性があるため、掲げれば楽しそうな声を上げて飛んでくる。

星巡車掌鞄(攻撃力:400以上)
車掌としての大事な道具が入っている鞄。星の輝きで作られた特殊な布でできており浄化の力を持っている。持っているだけで邪悪な者を消滅させることが可能。
リフレクト・ブレード(攻撃力:350以上)
敵の攻撃を反射する光機剣。力のベクトルを変える可変機構が内部に組み込まれており、どんな攻撃も跳ね返すことが可能。
ピース・ジュピター(攻撃力:350以上)
宇宙警察で支給されている銃。人の手に合わせてグリップが自動変化する機能があり、弾丸の軌道計算をしながら照準を補正してくれる名銃。普通の弾丸以外にエネルギー弾を撃つこともできるが、エネルギーのチャージまで時間がかかるのが難点。
【期間】8月28日 15:00~9月16日 22:59
ディメンション・ブレード(攻撃力:400以上)
銀河星翔フェア購入時
あらゆる世界の物質を切り裂くことができる唯一無二の次元刀。空間を斬れば別の次元へ移動する入口を創ることも可能。



戦闘概要

少女守護バトル詳細

8月29日 0:00 ~ 8月31日 23:59の期間限定で、リブロンが討伐対象として現れます
期間中は、毎日一定数のファントムメダルを獲得した方に、豪華賞品をプレゼントします

メダル枚数 貰える景品
30,000枚 はがねの剣×1
60,000枚 バスタードソード×2
77,777枚 グレ-ドアップ景品
90,000枚 電磁警棒×1
100,000枚 リブロン
140,000枚 MAR-308ライフル×1
180,000枚 44マグナム×1
220,000枚 誘燈者リブロン
※77,777枚達成で貰える景品は、各日達成することでグレードアップしていきます。

リブロン討伐時の封印権利
【★3以上】 MVP

【10万枚達成でGET!!】リブロン
【22万枚達成でGET!!】または【リブロンを3体寄贈でGET】誘燈者リブロン
誘燈者リブロンを4体寄贈でGET】幻灯惑者リブロン

記憶堅守バトル詳細

銀河星翔フェアの開催を記念して9月1日 0:00 ~ 9月3日 23:59の約3日間限定で、スピカ・ムンドゥスグスコーブが討伐対象として現れる記憶堅守バトルを開催します
グスコーブは期間中全時間帯に出現し、スピカ・ムンドゥスは期間中まれに出現します。

戦闘中にスピカ・ムンドゥスグスコーブから時々、メモリー・フィルムを得ることがあります

集めたメモリー・フィルムは特別車両にてアイテムやレアキャラと交換することができます

【メモリー・フィルム25個と交換】
12397 グスコーブ
【メモリー・フィルム100個と交換】
12398 記映裁者グスコーブ

交換リスト
究極なるバッカスの酒x1
必要メモリー・フィルム数:250個

究極なるヘラクレスの力x1
必要メモリー・フィルム数:250個

究極なるアテナの守りx1
必要メモリー・フィルム数:250個

伝説なるバッカスの酒x1
必要メモリー・フィルム数:140個

伝説なるヘラクレスの力x1
必要メモリー・フィルム数:140個

伝説なるアテナの守りx1
必要メモリー・フィルム数:140個

記映裁者グスコーブ
必要メモリー・フィルム数:100個

極上なるバッカスの酒x1
必要メモリー・フィルム数:60個

極上なるヘラクレスの力x1
必要メモリー・フィルム数:60個

極上なるアテナの守りx1
必要メモリー・フィルム数:60個

アレスの叙事詩5行x1
必要メモリー・フィルム数:30個

グスコーブ
必要メモリー・フィルム数:25個

教会のロウソク[星巡]x1
必要メモリー・フィルム数:20個

銀のリンゴ[星巡]x1
必要メモリー・フィルム数:10個

アレスの叙事詩1行x1
必要メモリー・フィルム数:5個
【記憶堅守バトルデイリーランキング】
記憶堅守バトル期間中は1日に集めたメモリー・フィルムの数によるデイリーランキングを毎日実施します!!

ランキング上位者にはレアキャラスピカ・カエルムをプレゼント

ランキング プレゼント内容
1~20位 スピカ・カエルム
運命のチケット×30
21~100位 不思議なネックレス[1]×1
運命のチケット×15
101~200位 不思議なリング[1]×1
運命のチケット×10
201~300位 運命のチケット×5
301~500位 運命のチケット×3

乗客防衛バトル詳細

9/4 12:00 ~ 9/8 23:59の間、乗客防衛バトルを行います
期間中に出現する占拠者達と戦闘し、見事打ち勝つとファントムメダルを獲得できます
各占拠者との戦闘で12万枚のファントムメダルを得ると、それぞれの占拠者をプレゼント
【占拠者達】
12399 ソンバーナ
12400 タネリー
12401 イサド

ランキングは、毎日行われる乗客防衛バトルデイリーランキングと、乗客防衛バトル開催期間(9/4 12:00 ~9/8 23:59)通して行われる乗客防衛バトルランキングがあります

乗客防衛バトルデイリーランキング
乗客防衛バトルデイリーランキング
※一例として ソンバーナ を対象に表記しています※

1~20位
遠射士ソンバーナ
究極なるバッカスの酒×5
不思議なネックレス[1]×1
運命のチケット×10

21~50位
遠射士ソンバーナ
究極なるバッカスの酒×3
不思議なネックレス[1]×1
運命のチケット×10

51~100位
遠射士ソンバーナ
究極なるバッカスの酒×2
運命のチケット×7

101~200位
究極なるバッカスの酒×1
運命のチケット×5

201~300位
運命のチケット×3

301~500位
運命のチケット×1
【乗客防衛バトルランキング】
各占拠者との戦闘で得たファントムメダル枚数によるランキングを実施します!!
ランキング上位者にはレアキャラをプレゼント

総合1000位ランクインで貰えるキャラ
12402 遠射士ソンバーナ
12403 爆衣者タネリー
12404 闇術医イサド

総合200位ランクインで貰えるキャラ
12405 遠狙撃手ソンバーナ
12406 時限爆者タネリー
12407 外法邪医イサド

乗客防衛バトルランキング プレゼント内容
※一例として ソンバーナ を対象に表記しています※

1~200位
遠狙撃手ソンバーナ
遠射士ソンバーナ
究極なる三賢者の祈りx1

201~1000位
遠射士ソンバーナ

安全確保バトル詳細

9/9 15:00 ~ 9/13 23:59の間、安全確保バトルを行います
期間中に出現するゲンソ達と戦闘し、見事打ち勝つとエーテルメダルを獲得できます
エーテルメダルにはマーズメダル、マーキュリーメダル、ビーナスメダルがあり、獲得できるエーテルメダルは倒したゲンソによって異なります。

各エーテルメダルを1日で7万枚集めると世界構成ゲンソをプレゼント
【世界構成ゲンソ達】
12410 ゲンソ・ザウラク
12411 ゲンソ・ミアプラ
12412 ゲンソ・アトリア

また、天想輝晶フェア開催を記念して、安全確保バトル期間中オペールが討伐対象として登場します!!
オペールを討伐すると、安全確保バトルのマーズメダル、マーキュリーメダル、ビーナスメダルのランキング全てにエーテルメダルが加算されます
オペールは、ゲンソよりも多くの全体攻撃を繰り出します
オペールは安全確保バトルの対象キャラ達と平行して、稀に討伐対象として出現します

ランキングは、毎日行われる安全確保バトルデイリーランキングと、安全確保バトル開催期間(9/9 15:00 ~9/13 23:59)通して行われる安全確保バトルランキングがあります
安全確保バトルデイリーランキング
各ランキング報酬は以下の通りです

※一例としてマーズメダルを対象に記載※

1~50位
ゲンソ・マーズ
不思議なブレスレット[1]×2
運命のチケット×15

51~100位
ゲンソ・マーズ
不思議なブレスレット[1]×1
運命のチケット×10

101~200位
ゲンソ・マーズ
運命のチケット×7

201~300位
ゲンソ・ザウラク
運命のチケット×5

301~500位
ゲンソ・ザウラク
運命のチケット×3

501~800位
運命のチケット×3

801~1000位
運命のチケット×1
安全確保バトルランキング
総合50位ランクインで貰えるキャラ
12409 晶創者オペール

総合500位ランクインで貰えるキャラ
12416 ゲンソ・エーテルトリオ

総合501~1000位ランクインで貰えるキャラ
12413 ゲンソ・マーズ
12414 ゲンソ・マーキュリー
12415 ゲンソ・ヴィーナス


ランキング報酬は以下の通りです

※一例としてマーズメダルを対象に記載※

1~50位
晶創者オペール
ゲンソ・エーテルトリオ
不思議なブレスレット[12]x2

51~100位
ゲンソ・エーテルトリオ
不思議なブレスレット[12]x2

101~300位
ゲンソ・エーテルトリオ
不思議なブレスレット[12]x1

301~500位
ゲンソ・エーテルトリオ
不思議なネックレス[12]x1

501~1000位
ゲンソ・マーズ
不思議なネックレス[1]x1

運命分岐ハバトル詳細

9/14 15:00 ~ 9/15 23:59の限定で、ブルカニーが討伐対象として登場する運命分岐バトルを開催いたします
運命分岐バトルは、開催期間内に全ての協力バトルで与えたダメージを競うデイリーランキングです
ランキング上位に入ると分岐制者ブルカニーや運命のチケットをGETできます

【800位以内】でGET
12417 ブルカニー
【300位以内】でGET
12418 分岐制者ブルカニー
ランキングでGETできる上記2キャラは、ルクスの館で寄贈募集中です!!

開催期間
日 期間
9/14 15:00 ~ 23:59
9/15 00:00 ~ 23:59

【順位とプレゼント内容】
1~150位
分岐制者ブルカニー×1
ブルカニー×1
運命のチケット×20

151~300位
分岐制者ブルカニー×1
ブルカニー×1
運命のチケット×15

301~500位
ブルカニー×1
運命のチケット×12

501~800位
ブルカニー×1
運命のチケット×7

801~1000位 運命のチケット×5

1001~1500位 運命のチケット×3

1501~3000位 運命のチケット×1

星巡試練バトル詳細

イベント最終日限定でイハティーブが現れ、最後の戦いが行われます!!
9月16日0時からイベント終了までの間に25万枚のファントムメダルを獲得した方にはイハティーブをプレゼント致します

12426 イハティーブ

イハティーブ討伐時の封印権利
【★3以上】MVP フィニッシャー

さらに0時、8時、12時、15時、19時、21時、22時台に各1回ずつ、魂送監者イハティーブが討伐対象として出現します

12427 魂送監者イハティーブ

ランキング プレゼント内容
1~50位 魂送監者イハティーブ

51~100位 運命のチケット×10枚

101~300位 運命のチケット×3枚

301~500位 運命のチケット×1枚
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