聖銃FORGIVEN_プロローグ

 
最終更新日時:
story by 佐島但馬


172:聖銃FORGIVEN -誓約のGIFT-

>>12月2日 15:00 - 12月5日 12:59<<

開始前

穏やかな生活を送る
花屋の青年


彼の決意とは?

プロローグ



(プレイヤー名)が目を開くと、そこは裏路地だった。
どうやら新しい世界に来たようだ。
一体ここはどこだろう?

「ねえ、君は何者……?」

背後から声がした。

足音や気配は背後から聞こえなかった。
振り向くと花屋の服装をした男がこちらをじっと見つめていた。

「不思議な雰囲気の人だね。幾多の困難を乗り越えてきたような……。違う?」

何も言えず、(プレイヤー名)が黙っていると、彼は言葉を続けた。

「この路地にいるってことは、もしかして君も大会参加者なのかい?」

――大会?

よくわからず、首をかしげると、彼は静かに呟いた。

「なるほど……。表情を見る限り、君は本当に知らないみたいだな……。ボクの名前はフォーグ。……ちょっと急いでいるんだ。ある事情があってね」

――事情?

「ブラッディ・クリスマス……。殺し屋たちの大会が開かれる……。ボクはその情報を探してるんだ。君も一緒に来てくれる?」

フォーグは静かな目で(プレイヤー名)を見据えて言った。

――殺し屋?

どんな事情かはわからないが、(プレイヤー名)フォーグと共に行動することにしたのだった。

>>情報を集める<<


よーし。行こうか……。情報集めしなくちゃ……。

とりあえず500km位ぐるりと回ってみようか。

そうそう、これ、ちょっと預かっててもらってもいいかな?


慈愛の花束を1個手に入れました。。

それじゃ、行こうか!
勘を取り戻す

エピローグ


(プレイヤー名)と共に情報屋たちに聞き回り、フォーグは殺し屋の大会ブラッディ・クリスマスの参加条件を知った。
どうやら運営が、ここ数年で成果を上げている有名な殺し屋たちに参加チケットを渡しているらしい。

その事実にフォーグは、しばしぼんやりと考え、言葉を紡いだ。

「その前にちょっと寄る所があるんだ……、ついてきてくれる?」

(プレイヤー名)フォーグに連れられて街の病院に訪れた。
病院には車椅子に座りながら、フォーグを出迎える優しそうな女性の姿があった。

アリアス。体の具合はどうだい?」
「今日はだいぶいいの……。あなたからもらった花束を見ていたわ……。それよりどうしたの?今日は顔が怖いわよ?」

アリアスと呼ばれた女性は覗き込むようにフォーグの顔を見つめる。

「来月、手術を受けてくれ。お金のことは心配しないで。大丈夫だから」

フォーグの言葉にアリアスは困ったように眉をひそめる。

「ねえ、一体どうしたっていうのよ……。お金なんて……」}
「ああ。お得意様である資産家が、大きな庭に花を植えたいっていってくれてね、それでまとまったお金が入る。だからなんにも問題はないよ!」

フォーグの言葉にアリアス「……うん、ありがとう……。でも……」と呟く。
だが、彼女が言葉を続けるより先にフォーグが明るい声で言った。

「絶対に手術は成功する!そうしたら、一緒に店に立ってよ。看板娘としてね!君がいたら大繁盛だ!」
「わかった。絶対に頑張るわ、フォーグ

微笑むアリアスを見て、フォーグは満足そうにその顔を見つめるのだった。

聖銃FORGIVEN -誓約のGIFT-完

彼の目の前に
現れた不穏な影とは?

story by 佐島但馬

173:聖銃FORGIVEN -警告のBELL-

>>12/6 15:00 - 12/7 22:59<<

story by 佐島但馬
実力者を倒し大会参加なるか?

開始前

彼の目の前に
現れた不穏な影とは?

  殺し屋を倒そう!!  

プロローグ



アリアスと別れ、フォーグは裏道で出会った殺し屋の一人、ストリングスから連絡を受けた。

「……ブラッディ・クリスマスの招待状を持っている殺し屋の一人が街のホテルに泊まりに来るはずです。ちょうど、場所はあなたが今いる周辺のホテル"フォーチュン"にね……」
ストリングス。……なんでそんなことをボクに……」

「残念ながら仕立て屋の仕事が入りましてね……。まあ、いいんです。もともと賞金が目当てというより、私は実力を試したいだけでした。恋人の医療費を稼ぐっていう、あなたよりは参加の目的は薄いですから」

ストリングスは淡々と話すと、言葉を続けた。

「ところでフォーグ……、一流の殺し屋を育成する学園、キリング学園、ご存知ですか?」
「現役を退いて数年たつからね……。その手の情報は前ほどはないな……」


「プロにおいて情報力は自身の生存確率をあげるための手段ですがね……。まあ、いいですが……。そこで最近、新星とも呼ばれる女の子が現れましてね。相当な腕利きです」
「……名前は?」

フォーグが電話で尋ねた瞬間、握っていた電話がはじけ飛んだ。
鳥のようなメカに乗りながら空中で不敵に微笑む少女がフォーグの方を見つめて微笑んでいた。

「また聞きで名前なんて聞く必要はない。知りたいなら教えよう……。我が名は、ミザリーナ
「待て……なんで僕が命…」

ミザリーナフォーグの言葉の後を続ける。

「なんで命を狙ってるかわかったかって? 我が魔眼がうずいたからさ!ククッ、この全てを見通す魔眼がね!」
すると、ミザリーナの背後のメカが喋った。

「私ノ分析デス。1KM圏内ノ電話デノ話シ声ヲ傍受シ、キリング学園ニツイテ情報ヲ聞キダシテイル者ハ調ベラレマス」
「うるさい。ガルーダ!我が眷属ならば黙ることだ……」

ミザリーナが舌打ちしながら呟くとフォーグは怪訝な顔で言った。

「……なるほど。いきなりで何だが、君に頼みがある……。ブラッディ・クリスマスの招待状を僕に譲ってほしい」
「それ、冗談?笑えなすぎる……。この深淵なる魔眼の持ち主に冗談とはね」

ミザリーナは余裕の高笑いを浮かべるとフォーグに巨大な銃で狙いをつけて言葉を続けた。

「……へえ。ガルーダのデータベースによれば、数年前名を馳せた、伝説の殺し屋、"FORGIVEN"の片割れか?いいだろう……ならば魔眼の力を解放するしかあるまい!」

ミザリーナ。アナタノ瞳ニ特別ナチカラハアリマセン」
「お黙り、ガルーダ。さあ、このミザリーナの名の下にその力を発揮せよ!」

ミザリーナは声高らかに叫んだ。

「話は通じないか……。なら、戦って奪うしかないね」
フォーグは愛銃を構えると残念そうに呟くのだった。

>>招待状を奪う<<


ブラッディ・クリスマスの
殺し屋を倒さなきゃ!

行こう!

招待状を奪う!!

エピローグ


フォーグは銃を構え、数発の弾丸を撃つ。
それは全て、ミザリーナの乗るガルーダに当たった。

「バ、バカな……。同じ場所を狙い撃ちされている……。こんなことされたらトーゼン、落ちるに決まってる……!この魔眼が効かないとは……」

ミザリーナの悲鳴と共に煙をあげて落下するガルーダ。
フォーグは落ちてきたミザリーナを両手で抱え込んだ。

「えーと……僕の勝ちってことでいいかな?」
「ちょっ……。我を降ろせ!右目の力を解放したら、アンタなんて灰に……!」

フォーグの両腕の中でミザリーナは頬を赤らめて言った。

「ご、ごめん……」

急いでフォーグミザリーナを地面に下すと、ミザリーナは困惑した表情で言った。

「アンタ……我を殺さないの?」
「……殺さない。僕が欲しいのは招待状だけだ……」

フォーグは自分が恋人の命を救うために参加していることを話すと、ミザリーナは小さくため息をつくと、頷いた。

「いいわ……。招待状、アンタにあげる。アンタみたいな甘い男がこの大会で生き残れるとは思えないけど」
「ありがとう、ミザリーナ……」

「……わかっていると思うけど、参加者は全員、超一流の連中。手加減して勝てるような相手はいないわ……。我が右目に誓ってね」
「わかってる……」

ミザリーナの言葉にフォーグは覚悟を決めたようにうなずくのだった。
聖銃FORGIVEN -警告のBELL-完

いよいよ本選出場
目指せ最強の座!

story by 佐島但馬

174:聖銃FORGIVEN -乱弾のXmas-

>>12月8日 15:00 ~ 12月26日 22:59<<

開始前

参加資格を得て
本選に出場する男


果たして優勝はできるのか?

プロローグ



ミザリーナから、フォーグは大会での優勝条件の話を聞いた。

「期限までに、誰よりも多くの招待状を奪い、集めた者が、ブラッディ・クリスマスの勝利者というわけか」

「そう……。しかも、たくさん招待状を持てば持つほど、命は狙われやすくなる……。招待状には持ち主の位置を知らせる機能がついていて、全参加者に知らせるからね……。これで他の招待状の持ち主の居場所がわかる……」

ミザリーナは持っている小型の機器を渡した。

「ありがとう。ミザリーナ……。きっと、生き残ってみせる」

幸運を祈るわ、といってミザリーナは去って行った。
ミザリーナとの戦いで服が破れてしまったため、フォーグは店に戻ってスーツに袖を通した。

これでいよいよ、本格的な戦いに身を投じた気がする。
そして、他の参加者たちを探すべく街を歩いていると突然、背後から声をかけられた。

フォーグさん?ここで何をしているんです?……なぜ、あなたがブラッディ・クリスマスの招待状を持っているのですか?」

フォーグは驚いた。

なぜなら目の前の彼女はフォーグの花屋のお客だったからだ。
しかも彼女は葬儀の黒衣を着ている。

「あなたはいつも、薔薇を買って下さるお嬢さん……?」
「……花を買う時、貴方とお話しする時間がとても楽しかった。そう、私は貴方にどこか魅かれていたのはよく考えれば当然かもしれないわね……。貴方も人の命を奪う悲しみを知っていたんだから」

二人が話していると、のそりと大きな刀を持った男が現れた。

「ほう、招待状の持ち主二人を見つけたと思ったら……、しっぽりイチャつき中か? 貴様ら余裕だな……」
「イチャついてなどいないよ」

「ふん。どうでもいいわ……。フォーグ。伝説の殺し屋FORGIVENの片割れ。相棒は死に、名前を聞かなくなったと思えば……。ここにいたか!」

フォーグは強張った顔で黒衣の女性に言った。

「……お嬢さん、すみません。危ないので下がっていてくださいますか?」

その時、黒衣の彼女は悲しそうに首を振った。

「いえいえ。フォーグさん。私は殺し屋ブラックウィドウ……。残念ながら、ここで出会った以上、覚悟はできています……。せめて、あなたの命、縁ある私が奪いましょう」

フォーグは己の命を狙う二人をそれぞれ見つめると、静かな声で言った。

「君たちに殺されるわけにはいかない……。そして、君たちのことも殺さない。ただ、戦いには勝たせてもらうよ!君らの招待状はいただく!」

フォーグは呼吸を整え、銃を構えるのだった。

>>命を奪わず勝つ<<


強敵を倒すほど、たくさんの【FORGIVENメダル】が貰えるみたい。

敵は、「イベント掲示板」に発見情報が届くみたい……。情報はこの世界では武器にも等しいからね。
イベント掲示板をみる

クエストか……。
一つずつクリアしていくしかないね!

気配を感じとる!

高速の処刑者



フォーグ(プレイヤー名)の力を借りて、ブラックウィドウジショウの命を奪わずに倒すことができた。

「……刀と武器は破壊した。これで戦えないだろう。悪いけどもらうよ、招待状を……」

ブラックウィドウフォーグをじっと見つめると不思議そうな眼差しを向ける。

「一つ教えてください。なぜ、あなたは私たちの命を奪わないのですか?それは同情ですか?だとしたら……」

いいや、とフォーグは首を横に振る。

「同情じゃない。かつての相棒と約束したんだ。もう、殺し合いはしないって」

それから、フォーグは少し沈黙すると言葉を続けた。

「それにね……、好きな人が出来た。その人を守ろうと思ったんだ。でも、その人の命を救うのに別の人の命を奪うのは違うと思うから」

フォーグは自分の喋ったことに、納得するように小さく頷く。
ブラックウィドウはがっかりしたような面持ちで呟く。

「……それでこれまでの罪を償えるとでも?そういうのって偽善じゃないですか」

「……偽善だね。それはわかってる。ボクは彼女の手術費用さえ稼げれば、どうなったっていい。正直、殺されたって仕方ないと思ってる……」

フォーグが銃を収めると、ジショウは呟いた。

「殺さずに戦う?……その甘い信念が本気で通じるかな?……フォーグ、処刑人エグゼールを前にしてもな……」
「処刑人?殺し屋と違うのか?」

「ククッ。少々、趣が違うな。ターゲットを確実に殺すのが殺し屋の仕事だとすれば、残虐な殺し方で裏切り者への粛清をするのが処刑人だ……。切り刻まれるぞ?フォーグ……。おや?噂をすれば来たか」

その時、爆音が聞こえ、背後から疾風の速度で何かが近づいてきた。

「いたいた、招待状の所有者……」

槍を掲げながら、女はフォーグを見て微笑えんだ。

「はい。処刑人エグゼールちゃんの登場でーす。さーて、これからキミの頭と胴が離れ離れになっちゃうわけだけど、最後に頭と胴でお別れのハグしていいよ?はい、心の中でハグした?

はい、じゃあ、逃げていいよ。逃げたものを追い詰めていくのって生きてるってカンジするからさ……」

ハンドルを握りながら不敵に笑うエグゼールを見つめながら、フォーグは懸命に打つ手を探すのだった。

追撃をかわす

暴力の天才


(プレイヤー名)の力を借りてエグゼールのバイクを壊したフォーグは、彼女を気絶させて招待状を奪った。
ほっとしているフォーグの元に電話がかかってきた。
どうやらストリングスからだった。

「もしもしフォーグ。生きてますか?生きてなければ礼服を仕立てる必要がありますので……」
「生きてるよ、ストリングス!わざわざ心配してくれたのか?」

「おや、生きてましたか。心配というより、ちょうど店が暇な時間なので……」
「そう、か」

ちょっとがっくりするフォーグに、コホンと小さな咳をしてストリングスは尋ねた。

「処刑人エグゼールには気をつけてください……。彼女の類を見ない残虐さはピカイチで」
「もう、倒したよ」
「……時に、前回8位のタイタン・オズワルドには会いましたか?」

「いや……会ってないけど」
「彼の格闘センスは今回参加者でも五本の指に入るレベルです。接近戦にはくれぐれも気を付けて。紫のモヒカンの男です……」

フォーグストリングスが話していると、前方の路地で紫のモヒカンの男が吹き飛ばされているのをフォーグが見つけた。

「……世界中の殺し屋が集まって、アタシの街でなーんかヤラかしてんだ? ナメてんの? オイ、タイタンなんちゃら。寝てんじゃねーよ。人が話してるときに寝るのは失礼だろうがよ?」

地面に倒れた巨漢の男をアイスホッケーのスティックで殴っているのは一見華奢な少女だった。
前回8位の男をこの子がやっつけたというのか?
フォーグは少女に近づいて言った。

「それ以上やると……死んでしまう。やめなよ……」
「ア?」

少女はフォーグをにらんで言った。

「オメーもブラッディなんちゃらに出る殺し屋か?まあ、いいか。一人一人ぶっつぶして、このバタフライ様が最強ってとこを見せてやるよ」
「……喧嘩好きが生き残れるほど甘くない。本当に命のやり取りをする大会だよ……」

「アンタらってさー、脳ミソの作り同じなの?ねえ?ここで倒れてるやつも同じこと言ってましたケドー?それであっさりアタシに負けましたケド?」
「わかったよ……。何を言っても無駄みたいだ……。君にプロとしての仕事を見せる!」

フォーグは大きく息を吐くと、少女に向き合った。

――この子、強い。

眼光の鋭さも、しなやかな脚力も、そして決して引くことのない強い意志も。
相対してわかる強さにフォーグも気を引き締めて挑むのだった。

少女を止める

プロの本懐



命を奪うことなくフォーグバタフライにプロとしての力量を見せつけた。
プライドを傷つけられたバタフライフォーグを睨んで言った。

「畜生、マジ許さねえ……」
「君は強い。正直、今回はボクが運が良かっただけだ」

「そんな甘いこといってると背後から殴られて死ぬよ?アンタ」
「……君はそんなことしないよ」

フォーグがじっと見つめると、バタフライはチッと舌打ちをして目を背けた。

「なあ……アンタ、なんのためにこの大会に参加するんだよ」

「彼女が病気なんだ……。命を救うためにお金がいる。それだけだよ」
「なんだ……、つまんねー理由だな……」

「……うん。そうだね……。これまでさんざん人の命を奪ってきた奴が、誰かのことを大事にするなんて虫が良すぎるってわかってる」

中空を見つめて呟くフォーグバタフライはじっと見つめると、小さな声で言った。

「勝ち逃げするなよ……?次にアタシが勝負挑むまで死ぬなよ?勝手に死んだら殺すからな?」と言って、フォーグにこれまで奪い取った招待状を渡した。

「メチャクチャなこと言うね」フォーグは微笑み、再び、参加者を探って街を歩き始めた。
しばらく歩くうちに、不意に胸騒ぎがして地面を転がった。

そのすぐ後、ドンと何かが破壊されるような音が響く。

「勘がいいですね。やっぱり、ここまで生き残っている人は違うわね」

先ほどフォーグが立っていた場所には美しい女が立っていた。
きらりと輝く足先が地面に亀裂を作っている。

どうやら刃物のようだ。

――義足、か?

「私はフットカット。あなたの命も悪いけどいただくわね。大丈夫、プロとして迅速に仕事を終えることを誓うわ……」

さらに物陰から現れたのは不気味な仮面をつけた少女だった。

「見つけた見つけた。何人いてもこのアンノウンが殺す、殺す!」

そして、ゆっくりとした足取りでこちらに向かってくるのは白衣を着た眼鏡の青年だった。

「……あなたに恨みはありませんが、私には大義があります。子供たちの魂を救うため……、悪を執刀させていただきます」

フォーグはやれやれとため息をついて呟いた。

「プロが三人か……。本気でやらないと生き残るのも難しいな……」

プロの戦いを見せる

哀しみの刃



銃を落とされ、あやうくフットカットたちに倒されそうになるフォーグだったが、駆けよってきたアントンが落とした銃をフォーグに渡したことで間一髪、勝利することができた。

フォーグアントンの頭をなでながら言った。

「お前のおかげで助かったよ……。ありがとう、アントン

アントンは尻尾をふるふると振り、フォーグのことをじっと見つめてワン、と吠えた。

そして気絶しているフットカットたちから招待状を奪うと、フォーグは残りの参加者を探し歩みを進める。
参加者数人が地面に倒れ、血だまりをつくっていた。

アントンはふんふんと匂いを嗅ぎながら、警戒するような声で鳴いた。

「なるほど。アントン、教えてくれてありがとう……。ボクも妙な気がしたんだよ」

フォーグは倒れている一人にそっと声をかけ、銃で狙いをつけながら言った。

「君。死んでないんだろう?……起きなよ」

フォーグの声を聴いて、倒れている男はくすくすと笑いながら立ち上がった。

「なんだ哀しいな……。わかっちゃったか……」
「残念ながらね。……なるほど。君は"同業"じゃないな」

フォーグは男の顔を見て、小さく眉をひそめて言葉をつづける。

「逃亡犯、か」

眼前の男は一ヵ月ほど前、逮捕された連続殺人犯エッジ・ラメンター。
わかっているだけで3年で80人以上もの人間を殺害したようだが――。
檻から脱走したわけか。
フォーグの言葉にエッジは屈託のない笑顔を向けて言った。

「どうも、逃亡犯です」

フォーグが銃を向けていても、エッジには緊張感がまるでなく、弛緩した空気を漂わせている。
自分の命も他人の命も同じくらい希薄な証拠だ。

この手の男は予想もつかない行動をすることをフォーグは長年の勘から知っていた。

「君はなぜ、この大会に参加しようと思ったの?」

銃を突き付けながら、フォーグは穏やかに尋ねた。
その言葉にエッジは小さくうなずいた。

「……優勝すれば、大金と罪をも帳消しになる。表と裏の大物たちが頑張ってくれるって……。出場条件は、他の参加者たちから招待状さえ奪えれば誰でも可能……。合ってるよね?」

「なるほど。逃亡犯である君にとっては、渡りに船ってわけだ……」

フォーグの言葉にエッジは哀しそうに微笑み、首を横に振った。

「正直に言えばね、そういうのはどうでもいいんだ。僕が知りたいのは"答え"なんだよ。それがわかれば今すぐ死んじゃったっていいの」
「答え?」

「ねえ、殺し屋さん。どうしたら人って哀しくならないと思う?無駄で無意味なことしか喋らないのも哀しい……。でも……動かなくなるのも哀しい。哀しすぎて哀しすぎてさ。たまらないよね……。殺し屋さんたちなら、僕の答え、知ってるんじゃないかと思ってさ……」
「どうしたって人は哀しいし、そこから逃れることはできないんじゃないかな……」

フォーグの言葉にエッジの瞳から涙が流れる。
そして、嗚咽をこぼしながら人が変わったように豹変して叫んだ。

「あああああああ……。そんな答えは聞きたくないんだよ。わからなきゃ考えろよ……。哀しいから聞いてるんだろうがよ!殺し屋なら、僕と近いからわかると思ったのに。誰も教えてくれない。もういいや。もういい。哀しいからオワリだ!」

ぬらりと光る刃物を輝かせてエッジフォーグに向かってくるのだった。

敵の動きを読む

愛するということ


フォーグ(プレイヤー名)の力を借りて、エッジに哀しみに絶望する生き方は無駄なことを教えた。

「わからない。わからないけど……。話しているとあたたかいな……。あたたかいってこういうこと?殺し屋さん」

その後、突然、エッジの背後で破裂音が響く。
ゆらりと胸を押さえ、エッジはそのまま地面に倒れた。

フォーグが近寄ると、エッジは息も絶え絶えに呟く。

「……ふふ、哀しくない。殺し屋さんが、見てるから……。ありがとう……」

銃声の方を見つめる。
そこに立っていたのはフォーグの知る人物だった。

最愛にして、慈愛に満ちた彼女――、アリアス
しかも、いつもの車椅子に座った病気がちの姿ではなく、冷たい表情で銃を構えていた。

「罪をかぶせるには、逃亡犯の彼は好都合なの……」
「……アリアス、君……」

予想もしない出来事にフォーグは二の句が告げられずにいた。

フォーグごめんなさい。私は組織に雇われた暗殺者だった。あなたの傍にいながらずっと……、監視していた。本当は情報を引き出して殺す予定だったけど、私にはできなかった。あなたも昔の話はしなかったし……」

「ボクのことも前からわかっていたのか」
「もちろん……。あなたが相棒のイヴァンをなくして、裏の世界から引退したことも。

ブラッディ・クリスマスは、殺し屋たちをまとめて始末するための大きな罠……。
あなたは途中で死ぬ予定だったけど――、生き延びてしまった」


アリアスは苦悶の表情で言った。
しかし、フォーグは怒ることもせず、彼女を見据えると穏やかな声で言った。

「それで、君は、どうするの?アリアス……。君が病気でないならボクはそれでいい」

「やめてよ……。でもね、もうあなたを、始末するしかないの。……ここであなたを逃がしたら、あなたは捕らえられ、拷問にかけられて殺される……。それに私の家族もね。

あなたもわかっているでしょう?裏の世界の残酷さを。そんな目にあうなら、せめて私が楽にあなたの命を奪う。私の胸の中で死んで、フォーグ

アリアスは決意の眼差しでフォーグに銃口を向ける。

アリアス……」

「いやあ、泣けるわ。この腐った街でクソみたいな愛を囁いててよ……。いいモン見せてもらったお礼にプレゼントだ。指輪がわりにワッパかけて、デストリンク署のスイートルームに招待させてくれよ」

手錠を持った警官が酒焼けしたがらがら声で言った。

ラビッシュ……。この街で"最凶の警官"だね。引退したボクでも耳にするよ。君が急に"警察の仕事"なんてね」

「殺人、恐喝、身元不明人、掃き溜めみたいなこの街ではよく見る光景だ。それでも漁ればなんらかの証拠はでてくるんだ……。だけど不思議と、お前らがやってる奇妙なパーティの話だけはでてこない……。

教えてくれよ、お前ら、殺し屋なんだろ?このパーティの元締めは誰なんだ?なぜ、俺に何も情報が入ってこない?俺に失礼じゃねーか?」

フォーグは小さく首を横に振る。

「ボクらにだってわからない。ただ……、あまり深入りしないほうがいいと思うけど。ただの警官が深入りできない闇があるってことさ」

「それなら一人ずつ辿っていけばいいだけだ。チンピラども脅して金むしる生活もそろそろ飽きてきてよ。テメーらまるごと捕まえて出世させてもらうか……」

ラビッシュが下卑た微笑を浮かべながらフォーグアリアスに銃を構える。

「悪いけど……、ボクは捕まるわけにもいかない。そして、アリアス。君への愛も変わらない!……事情が変わってもいいさ。君だけは守るということだけは変わらない!」

フォーグは大きく叫ぶと、ラビッシュの握る銃に向かって弾を放とうとするのだった。

彼女を守る

伝説 対 最強



(プレイヤー名)の力により、ラビッシュは意識を失った。
フォーグアリアスの方を向くと銃を下した。
そして穏やかな声で言った。

「君の家族が助かるなら、ボクは喜んで命をあげる……」
フォーグ……」

アリアスは切ない瞳でフォーグを見つめる。
引き金を絞ろうとするが、指先が震えている。
やはり、彼のことを愛しているのだ。
フォーグはその様子を眺めながら、静かに言った。

「聞いて、アリアス。ボクの命を奪っても君の組織は――情報を握っている君と君の家族をなきものにするだろう……。そういう所だよ。例外なく……」

「わかってる……。命が少し伸びるだけ……。でも、私はどうすればいいの?もう、わからないの!」
「逆に……組織の情報を握ればいい……。命の危険があったら公開してやると脅迫するんだ……」

「組織の……?でもそんな情報、どうやって――」
「このブラッディ・クリスマスの開催者なら、その手の情報も知っているはずだよ……。今のボクは優勝候補だ。開催者に近づける……。
ねえ、アリアス。いつか二人で花屋をやろう。看板娘として働いてくれる約束は有効だろう?」

その時、疾風のような風が二人の前に吹いた。
ざわ、と鳥肌がたちフォーグアリアスを突き飛ばして、自らも跳躍する。
鋭い、空気の塊が削がれるような音がした。
目の前には冷たい刀を持った男が佇んでいた。

「避けたか……。そう来なくてはな」
「あんたは?」
ファルコ……。このブラッディ・クリスマスの主催者だ。さて、話は聞いたよ。今のお前が欲しいのは賞金ではなく、彼女の組織の情報だな?」

「そうだ……。アンタが何者かはわからない。でも、アンタなら、情報を持っているんだろ?」

フォーグの言葉にファルコは頷いた。

「そりゃ持っているさ……。これでも表向きは警察の上層部だ……。おっと、仲間を売るクズは始末しておかないとな。」

ファルコは刀をかかげると、気絶しているラビッシュの背中にぶすりと刺した。

「お前……」
「気にするな。こいつは下っ端のくせに調子に乗りすぎた。いずれ始末されるだけのこと……。それよりもお前はもっと憤る理由があるだろう?」

「憤る理由?」
「知らないのか?俺が最後に殺した奴の名前を。伝説の殺し屋"FORGIVEN"の片割れ、イヴァン・クライスだよ」

――こいつがイヴァンを?

「そして、今日その相棒が現れたというわけだ。……俺も"最高"と言われた殺し屋。”伝説"って名前のお前らは気に食わなくてね……。さあ! 銃を握れ、フォーグ。俺を倒せなければ、その女の家族も、お前らもみな殺す!」

「……わかった。君を倒そう」

フォーグは愛銃を握りしめる。
イヴァン……。
君の仇を討つ。
頼む、力を貸してくれ。


仇を討つ

エピローグ


フォーグの想いを込めた最後の弾丸がファルコの刀を撃つ。
刀身にひびがはいり、剣が折れて刀身がくるりと中空を舞う。

「クッ……。斬撃で脆くなっている場所を狙ったのか」

ファルコが悔しそうな表情を浮かべる。

「だが、それで倒せると思うか?」

その時、ファルコの腹を何かが貫いた。

「……くっ」
「…………ざまあみろ。最後の一撃、食らわせてやっ……た」

ファルコに刺されたはずのラビッシュが呟く声が聞こえた。
震える手で握られた拳銃からは煙が立ち上っていた。

「なるほど……。これは、予想外だったな……。こういう幕切れ、か。くだらんな、俺の人生も……」

ファルコは小さく笑うと、震える手で壁のボタンを押した。
壁の一部が開き、冷たい銀色をした金庫が現れた。
ファルコは金庫の扉を開くと、真っ赤なファイルをフォーグに向かって投げた。

「組織の情報だ。持っていけ……。ただ、知ったところでお前たちが生き残れる確率は低いがな……」
「大丈夫さ。……ボクとアリアスなら」
「伝説と呼ばれた男がどこまでやれるか、地獄から見ててやる」

どこか羨望の眼差しで一瞬フォーグを見つめるとファルコは息絶えた。
フォーグ(プレイヤー名)を見つめると言った。

(プレイヤー名)さん。あなたのおかげで助かったよ……。ボクだけじゃ、この戦いで生き抜くことはできなかった」

(プレイヤー名)はじっとフォーグを見つめる。
穏やかだった花屋の青年は、どこか希望の光をたたえていた。
フォーグアリアスの手を取り、言葉をつづけた。

「これからボクたちは、自由になるための戦いに行く……。すべてが終わったら、また二人で花屋をやろうと思ってるんだ。今度会う時には、素敵な花束を(プレイヤー名)さんにも贈らせてほしいな……。平和の意味を込めて」

その傍らでアリアスも、フォーグのことを熱っぽい眼差しで見つめる。
命の重さを知る二人なら――。
自由になって、平和を取り戻せるに違いない。
(プレイヤー名)は穏やかにほほ笑むと二人を見つめるのだった。

聖銃FORGIVEN -乱弾のXmas-完

story by 佐島但馬

アイテム一覧


【FORGIVENメダル】
遂行の靴
特別な任務を遂行する際に便利な靴。軽くて履きやすく、一定時間数倍の距離を探索できる
ボカンリモコン
仕掛けた爆弾を爆発させるリモコン。爆風を利用して一気に探索距離を得ることが出来る
慈愛の花束
Xmasチャーム
Xmasチャームの欠片を16個集めるとXmasチャームと交換できます
クリスマス気分を盛り上げるチャーム。ヒイラギの葉が可愛らしいアクセントになっており、ベルからは美しい音色が響く。かざせば持ち主の犬が尻尾を振りながら近づいてくるはず……。
Xmasチャームの欠片
クリスマス気分を盛り上げるチャームの欠片。手で触れると、優しい気持ちになってくる……。ただ、欠片なのでこのままでは役に立たない。
ヴィナター・フレア(攻撃力:400以上)
敵の生命反応を認識し、逃げる敵をどこまでも追尾して倒す強力な兵器。一度狙われたら避ける術はない。
デスツール・バケツ(攻撃力:350以上)
裏の世界の"掃除屋"御用達の武器が入ったバケツ。武器の全ては警察が調べても出所がわからないように"洗浄"されている。
大邪刀・鬼羅雨(攻撃力:350以上)
呪われし刀。敵の血を吸えば吸うほど、刀身が鋭くなるという刀。この刀を創った鍛冶屋は武士への恨みから創りだしたようだ。
【期間】
12月8日 15:00~12月26日 22:59

戦闘概要

恋人追究バトル

慈愛の花束を所持していると、それを狙うアリアス・エンデヴァーとの恋人追究バトルが発生します

慈愛の花束を所持した状態で、探索しているとアリアス・エンデヴァーが一定速度で慈愛の花束を奪うために追いかけてきます
アリアス・エンデヴァーに追いつかれると、集めた慈愛の花束を奪われてしまいます
慈愛の花束を奪うとアリアス・エンデヴァーはそのまま逃げ出すので、今度はアリアス・エンデヴァーを追いかけて奪われた慈愛の花束を取り返しましょう
イベント終了までに集めた慈愛の花束の数に応じてレアキャラやアイテムをプレゼント
達成報酬は達成した数までのものが全て貰えます

高速の処刑者

詳細
12月9日 15:00 ~ 12月12日 12:59の期間限定で、エグゼールが討伐対象として現れます
期間中は、毎日一定数のFORGIVENメダルを獲得した方に、豪華賞品をプレゼントします




暴力の天才

詳細
12月12日 15:00 ~ 12月15日 12:59の期間で、暴力の天才を開催します!開催中はバタフライが討伐対象として現れます

<悪カワなキーホルダー集めてアイテムGET>
戦闘中にバタフライから時々、悪カワなキーホルダーを得ることがあります 集めた悪カワなキーホルダーの数に応じて、レアキャラや豪華アイテムをプレゼント


プロの本懐

12/15 15:00 ~ 12/19 12:59の間、プロの本懐を行います

期間中に出現する殺し屋達と戦闘し、見事打ち勝つとFORGIVENメダルを獲得できます
各殺し屋達との戦闘で13万枚のFORGIVENメダルを得ると、それぞれの殺し屋達をプレゼント


哀しみの刃 詳細

12/19 15:00 ~ 12/21 12:59の限定で、エッジが討伐対象として登場する哀しみの刃を開催いたします

哀しみの刃は、開催期間内に全ての協力バトルで与えたダメージを競うデイリーランキングです
ランキング上位に入るとエッジエッジ・ディセクトをGETできます


愛するということ 詳細

本日12/21 15:00 ~ 12/25 12:59の期間限定で階級別タイムリーランキングを開始致します
期間中はラビッシュ潜入者アリアスが討伐対象として登場します

【XmasプレゼントをGETしよう!!】
21時、23時開催のランキングでは貰える賞品にXmasプレゼント[スピカ]が追加されます

Xmasプレゼント[スピカ]
スピカからのXmasプレゼント。慈愛の心が込められている。アイテム効果発動時におともの限界突破Lvが1と、攻撃力が6~10上昇する。

【上位階級を目指そう!!】
上位2階級は勝ち抜いた人のみが参戦出来る特別な階級となります
この特別な階級は、より豪華な賞品が獲得出来るので是非挑戦してみてください






伝説と最強と 詳細

最後の戦い
12/25 15:00 ~ 12/26 22:59限定でファルコが現れ、最後の戦いが行われます
期間中45万枚のFORGIVENメダルを獲得した方にはファルコをプレゼント致します

さらに0時、8時、12時、15時、19時、21時、22時台に各1回ずつ、ファルコ・ヘルヴァイパーが討伐対象として出現します


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